Jクラブ監督の訴え「僕は非常に残念」 欧州でも起こる”必然”「ずっと言い続けてきた」

京都の曺貴裁監督【写真:徳原隆元】
京都の曺貴裁監督【写真:徳原隆元】

京都の曺貴裁監督が快勝の裏側に言及

 京都サンガF.C.は、8月24日のJ1リーグ第27節でFC東京に4-0で勝利して、今季初の3連勝を収めて首位に立った。2002年以来、アウェーのFC東京戦に勝っていなかった京都が、鬼門で勝ち点3を挙げる結果になったが、曺貴裁監督は「ここではFC東京さんに一度も勝てていない事実も知っていましたし、今シーズン2連勝できたけど、3連勝できていない事実も知っていました。そういうことも含め、今日の試合の温度を上げてゲームに臨んで、結果4-0で勝てたことを非常に嬉しく思います」と胸を張った。

【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!

 立ち上がりに2つのPKを得て、優位に試合を進めた京都だが、曺貴裁監督は「2-0になってから少し前半は体重が後ろに行って、相手のセンターバックをフリーにしてしまった。そのなかで持って来られることは少し課題でした」と早い時間帯に2点をリードした後に問題があったとしつつも「後半、そこもある程度修正できました。何回かクロスからピンチがありましたが、真ん中で身体を張った守備、(GKの)太田も含めて、(失点を)ゼロに抑えられたことも次につながります。こんな点差ほどの大差はなかったと思いますが、残りデッドヒートの最後のラストスパートに得失点差を含め、非常に良い勝ち方ができたなと思います」と、得失点差でもプラス4という結果を得られたことに満足していた。

 この試合、京都が前半13分に獲得した2つ目のPKは、相手GKからのビルドアップにプレスを仕掛けたFWラファエル・エリアスがエリア内で倒されて獲得したものだった。また、4点目のダメ押しゴールも相手のボールを高い位置で奪ったショートカウンターから決まっている。ずっと狙いとしていた形が結果につながったことも、指揮官の口を滑らかにしたのかもしれない。

「一つ、マスコミの皆さんを前にして言うようなことではないですけれど」と前置きをして「日本のなかでは自分たちのゴールキックをつないでチャンスを作ると、そのチームに戦術があり、ポジションがあり、それを偶然性ではなく必然で繰り返す向きがあります。僕は、相手のゴールキックがチャンスになると思っています。それは今までもずっと愚直に繰り返してきましたし、今日は直接的に1点、2点につながりました。ですが、それは昨日、今日言ってきたものではなく、ずっと言い続けてきたものです」と、取り組んできた成果を強調した。

 そして、こうしたプレーの重要性にもっと目を向けてほしいと訴える。「この前のプレミアリーグの開幕戦のトッテナムと(マンチェスター・)シティの試合でも、そういうゴールが生まれています。ああいうことは信じ続けないと全く出てこないけれど、ああいうゴールはゴールの一つではなく、アクシデントと捉えられることが、監督として僕は非常に残念に思います。ああいうところで日本代表、もしくはほかの代表がW杯で点を取れれば、間違いなく勢いはつきます。それはサッカーをどっちから始めるかの概念になりますが、そのあたりのことは監督としていつも思ってきたこと。そういうことをアウェーの地でこうして体現できたことは、勝ったことよりも良かったなと思います」と、日本のサッカーの見方に一石を投じられるような試合になったことの意義を口にした。

 さらに、「『夏場だから、どうせ京都落ちるぞ』と言われ続けるなかで、ずっと続けてきました。今日は飲水タイムがなく、我々は少し苦しい展開でしたが、非常にタイトにみんな頑張ってくれたと思います。残り我々は11試合。ACLも、ルヴァン杯も天皇杯も残っていないので、一戦必勝で次の岡山戦に臨みたいと思います」と、過去のリーグ戦の最高順位が5位のクラブで、歴史的な戦いぶりを見せている現メンバーで戦える試合数が限られていることを意識しつつ、これまでの戦い方を継続していくことを宣言した。

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング