画期的な“制度”、決勝は生中継…「変わってくる」 注目度アップの全中「すごいポテンシャル」

昨年度の全中を制した神村学園中学【写真:JFA/アフロ】
昨年度の全中を制した神村学園中学【写真:JFA/アフロ】

今大会は宮崎県で開催される

 第56回全国中学校サッカー大会が8月17日、宮崎県で開幕し、18日から1回戦がスタートする。これまでFC東京やファジアーノ岡山などで育成年代に携わり、現在は宮崎県サッカー協会のFAコーチを務める神戸昌宏さんに今大会の見どころを聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎)

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 全国の予選を勝ち抜いた32チームによって中学校の日本一を決める今大会。8地域の持ち回りで開催されているが、今回は宮崎で開催される。神村学園(鹿児島)や青森山田(青森)など高校サッカー選手権の強豪校は、中高一貫の6年間で強化している学校も多い。

「Jクラブのジュニアユースでは中学3年生でも優秀な選手を高校のプレミアリーグに出場させたり、チャレンジさせることが多いですが、私立の中学校でも高校のトレーニングに参加させたりする例が多くなっています。2年前には香川のさぬき南中学校で主将を務めた子が、ファジアーノ岡山のユースに入って、高校1年生でプレミアリーグにも出場していました。もちろん、この年代ではクラブの方にいい選手が多いとは思いますが、中体連の選手たちにも原石はたくさんいますし、個人のレベルは上がっているのかなと思います」

 今大会には大きな変化がある。18日の1回戦から22日の決勝まで、5日間で最大5試合を戦う日程だが、今回は新たな暑さ対策として、再交代制度が導入された。前回大会は最大7人までの交代が認められていたが、今回は交代の人数や回数に制限は設けず、一度交代した選手の再出場が可能になる。選手交代をためらいなく行えるようにすることで、熱中症などのリスクを軽減する狙いがある。

「今大会は一度ピッチを離れて交代した選手がリエントリーすることが可能になりました。暑熱対策として、選手のコンディションを考える上で、大きな変化だと思います。それだけでなく、ゲームの強度も変わってくるのかなとは思います。例えば、いつもと動きが違うなと思った時に一回交代して確認をした上で、色んな決断ができるようになったりするので。安全が担保される意味でも大きいことかなと思います」

 優勝候補には静岡学園や3連覇を狙う神村学園(鹿児島)の名前が挙がるが、その神村を九州大会で破ったのが地元・宮崎の日章学園だ。FW飯野結喜とDF越川櫂斗の“181センチコンビ”が中心を担う。

「地元で戦えるメリットも含めて日章学園は、かなり完成度は高いのかなと思います。飯野選手はポストプレーやCKからのヘディング、さらには両足も使えるので、存在感はかなりあるかなと思います。越川選手も空中戦の強さもそうですけど、ビルドアップも得意なセンターバックですね。後方から正確なパスで攻撃の起点を作り出すことができます。中学校でなかなか181センチの選手を2人を揃えるのはなかなか難しいので、優勝の可能性はあるかなと思います」

 今大会を経て、高校サッカー選手権、Jリーグ、そして海外へと上り詰めた選手も多くいる。現在、イングランド2部サウサンプトンでプレーするMF松木玖生と清水エスパルスの日本代表MF宇野禅斗は、青森山田中時代にこの大会で優勝を経験。近年ではガンバ大阪FW名和田我空も神村学園中で優勝を果たした。

 また今大会は8月22日の決勝戦が、CS放送「日テレジータス」で生中継(午前9時15分〜同11時45分)される。長年、高校サッカー選手権や全日本U-12サッカー選手権大会を放送してきた日本テレビとしては初の取り組みとなり、注目度も高まる。

「日本代表の遠藤航選手も中体連出身ですし、いつ爆発的に成長するかは誰にも分からない。サッカーとしては未熟な部分もありますけど、すごいポテンシャルもありますし、のびのびとプレーする所が、中体連のサッカーの面白さだと思います。仲間と一生懸命プレーする部分や感情がプレーに表れたり、見ている人が感動したり、応援したくなるような大会になるんじゃないかなと思います」

(FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎 / Shintaro Inoue)



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