プレミア首位の逸材DF「僕もプロを」 主力不在のなかで決意表明「追い越してやる」

鹿島アントラーズユースの朝比奈叶和【写真:FOOTBALL ZONE編集部 】
鹿島アントラーズユースの朝比奈叶和【写真:FOOTBALL ZONE編集部 】

鹿島ユースの朝比奈叶和「あの2人を追い越してやろうと思っています」

 高校生たちにとって全国大会が終わったこれからが本当の夏を迎える。インターハイ、Jクラブユース選手権。覇権を手にしたチーム、志半ばで敗れたチーム、全国にたどり着けなかったチーム。それぞれの思いを抱えながら、全国各地のフェスティバルや合宿で夏以降の捲土重来を誓う選手たちの思いを描く“真夏の挑戦者”シリーズ。

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 第3回は日本クラブユース選手権で優勝を遂げ、プレミアリーグEASTでも前期1位で折り返した鹿島アントラーズユースのDF朝比奈叶和について。今年、不動のディフェンスラインを組んできた仲間がトップに帯同し、不在の和倉ユースサッカー大会(以下・和倉ユース)で彼が口にした思いとは。

 サイドバック、センターバックと守備のポジションならどこでもできる。プレミアEASTでは昨年3試合に出場し、今年は開幕から11試合すべてスタメン出場し、出場時間は989分とほぼフル出場に近い数字を出している。

 日本クラブユース選手権でも準々決勝のプレミアWEST首位のヴィッセル神戸U-18との一戦で1ゴール、2つのゴールに絡んで5-3の勝利に貢献。準決勝のFC東京U-18戦でも先制点の起点となるクロスを送り、決勝ではクリーンシートに貢献。優勝の原動力の1人となった。

 和倉ユースでも右サイドバックとして高い守備力と質の高い攻撃参加を存分に発揮した。準々決勝で前橋育英、準決勝で履正社を下して、決勝まで駆け上がると、決勝の相手は西のライバル・ヴィッセル神戸U-18。一進一退の激しい攻防を見せ、朝比奈も右サイドバックとして激しいアップダウンを繰り返しながら、ときにはセンターバックやボランチのカバーに入って、ボール奪取したり、カウンターを阻止したりと、気の利くプレーでチームを支えた。結果は1-1からのPK戦の末に敗れたが、右サイドの職人の存在感はやはり大きいものであった。

「前期は結果を出せたと思うのですが、これからプレミアが再開するにあたって、もっと僕たちが成長していかないと足元をすくわれてしまう。危機感と緊張感を持ってこの夏に挑んでいます」

 和倉ユースには3人の主力が不在だった。プレミアEASTで6ゴール、日本クラブユース選手権で得点王を獲得し、すでにJ1デビューを果たしている2年生ストライカー・吉田湊海。こちらも2年生ながら190センチの長身とU-17日本代表の主軸である元砂晏翔仁ウデンバと、トップ昇格が決まっている3年生の185センチのレフティーDF大川佑梧の3人が、トップ帯同のために不在だった。

 ウデンバと大川はセンターバックと、朝比奈にとってずっと最終ラインを形成してきた仲間であり、センターバックの座を掴めなかったライバルでもある。

「最終ラインに2人がいなくても勝てるというのを和倉ユースで証明しないといけないという気持ちはずっと持っていました。僕はセンターバックでもサイドバックでも自分の力を発揮しながら、最終ラインを統率できるような選手を目指しているので、2人がいないこの大会でしっかりとリーダーシップを発揮して、勝たせる選手になりたいという気持ちが強い。僕もプロを目指しているので、彼らに負けないように今いる場所で、全力で頑張っていきたいと思っています」

 今回の遠征では鹿島に残ることができなかった。そこは現実として受け止めながら、与えられた場所で必死に咲くように努力することが、自分の将来につながる。金沢の地で見せたパフォーマンスは、その決意表明であった。

「2人に食いついていきたい。もっと頑張って、あの2人を追い越してやろうと思っています。チームとしてもプレミア後期再開に向けて、息をついている暇はないと思っているので、もう一度普段の練習から自分たちを見つめ直してやっていきたいと思います」

 彼の名前である「叶和」は、どちらも「かなう」と読む。夢、目標を叶える。そして願い事が和(かなう)ためには、仲間との切磋琢磨が必要だ。朝比奈は仲間からの大きな刺激を受け、彼らと助け合いながら、真っ直ぐに自分の目標に向かって走り出している。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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