英退団→J復帰「他も考えた」 28歳日本人が貫いた”古巣愛”「嫌いになるクラブではない」

初瀬が復帰後初の取材対応に応じた
J1のガンバ大阪は8月14日、吹田市内で16日にアウェーで行われるリーグ戦第26節サンフレッチェ広島戦へ向けて非公開で練習を行った。13日に英2部シェフィールド・ウェンズデイを退団していたDF初瀬亮が加入したなか、練習後の取材対応で復帰の決め手は“熱意”と語った。
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28歳の初瀬はガンバ大阪の下部組織出身で2016年にトップ昇格。19年からヴィッセル神戸でプレーし、23年からのリーグ連覇に貢献していた。今年2月にシェフィールド・Wに加入し、加入当初こそ出番を得ていたものの徐々に出場機会が減少。リーグ6試合に出場したが、4月以降の7試合では1試合のみの出場と苦しい状態でシーズンを終えた。「一番は海外でやることがベストだった」と初瀬は言及したが、所属のチームでは財政問題もあり契約満了で退団した。
複数クラブが初瀬には関心を寄せていたなかで、13日にG大阪への復帰が決定。「ずっと冬から声はかけていただいてたんで、8月に入った時に海外がなければ、日本で動いてもらおうという話はしてました。そのなかで一番熱意を持って話をしてくれました。どうですかって話をした時にも次の日に(条件を)提示してくれたり、『この日面談に行けるよ』とか、いろいろなところを含めて一番誠意を出してくれたんで、その中で決めたって感じです」と、G大阪が熱意をもって誘い、誠意を見せて実現した古巣復帰だと明かした。
「4つぐらいあったなかで、やっぱり神戸のことも考えましたし、その他も考えたなかで、神戸から出て行った部分もあったので監督、会長含めて話をしていただいた。でも自分はガンバを出た時に成長した姿を見せるっていうところで神戸に移籍したので、神戸では優勝も経験しましたし、帰ってくるタイミングなのかなと思います」と、昨年までプレーしていた神戸からもオファーもあり迷っていたという。
チームは現在リーグ戦で11位、首位とは勝ち点13差、降格圏とも13と中位に位置しており、ルヴァン杯も天皇杯も敗退している。昨季も天皇杯では決勝まで進んだが、初瀬がプレーした神戸が優勝した。
「ガンバでタイトルを獲りたい。自分がユースのときに天皇杯優勝した以来優勝してないので、自分が出て優勝したいっていうところがまず一番に浮かんだのと、ガンバのサポーター皆さん含めて、『やっぱりあいつは優勝して帰ってきた』じゃないと、ここには帰ってこれないと思ってたし、その決意を持ってガンバを出たんで、それは多少なりとも神戸で示せたかなというふうに思います。常にこうガンバの結果はやっぱり気になってはいたんで、神戸にいるときも。去年の天皇杯決勝とかは死んでも負けられないと、それはサッカー選手である以上多分誰よりも負けたくなかったし、やっぱりそういうところはガンバだからあったと思うし、本当にガンバのために全てを注ぎたいなと思うし、やっぱりアカデミー出身で自分たちが活躍することによって、アカデミーの子たちもトップでやりたいところも増えてくると思うし、僕はそういう立場だったんで。アカデミーの時に強いガンバがあって、ユースから上がった選手たちが活躍している姿を見てたんで、そういうところもアカデミー出身として見せていければなというふうに思います」
ガンバへの熱い思いを語った
初瀬は中学年代からG大阪の下部組織に在籍し、トップチームでのプレーを合わせて9年間在籍した。神戸に移籍以降は毎回、G大阪戦後にサポーターの元に挨拶へ行き、拍手とブーイングの両方を貰っていた。
「いくらブーイングされようが、水かけられようがそのなかでも嫌いになるクラブではなかったし、それが自分の誠意だと思ってたんで、何よりどれだけ言われようが、お世話になったクラブっていうのは間違いないって思ってたし、そこはもう絶対やらないといけないなというふうに思ってたんで、ちょっと柔らかに思ってもらえればいいかなっていうふうに思います(笑)。何よりも神戸にはすごい感謝してるので、サッカー選手である以上与えられたところ求められたところでやっていくしかないと思いますし、頑張りたいなというふうに思います。
(海外挑戦が終わり)悔しい気持ちはありますけどやっぱりガンバに帰ってきて、ガンバで示したいというところの方が強いんで。悔しさはあるので、その悔しさはやっぱここでぶつけたいなってところがある。何も悔いないので、もう残ってない、ガンバで決まった以上。本当にもう誠意見せてくれたんで。嬉しかったですね、ガンバに帰ってこれて」
最後にはサポーターへ向けて「やっぱりすごい熱いサポーターですし、本当に空気を一気に変えてしまうようなサポーターが後ろにいるので、サポーターたちは一番ガンバがタイトル欲しいと思うし、僕らも当然欲しいですけど、当然ガンバを応援してくれているファンサポーターの皆さんは一番期待していると思うので、選手とスタッフとフロントとサポーター一緒に上を目指してやれればなと思います。何よりも一番強い後押ししてくれるサポーターがいるので、そのサポーターの皆さんと毎試合、毎試合、勝利を噛みしめられればいいかなと思っているので、もうブーイングはもうやめてもらって(笑)。歓迎してもらえればよろしいですけどね。ガンバっ子ではあるので」と最後までガンバ愛を口にした。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)




















