クラブからの「圧力を無視」 懲戒手続きスタート、主将は“はく奪”…継続する対立構造

バルセロナのマルク=アンドレ・テア・シュテーゲン【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】
バルセロナのマルク=アンドレ・テア・シュテーゲン【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

テア・シュテーゲンについて公式声明を発表

 スペイン1部FCバルセロナは、ドイツ代表GKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンについて懲戒手続きを開始したと発表し、キャプテンの座を一時的にはく奪することを明らかにした。

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 テア・シュテーゲンとクラブの対立はオフシーズンの間に起こった。クラブとのコンセンサスを取らずに背中から腰の手術を受けたテア・シュテーゲンは、7月25日にSNSで自身の全治期間が3か月だと発表していた。

 リーグが定めるサラリーキャップ制度では全治4か月以上の選手を長期離脱と扱うことができ、その選手の登録枠に加えて給与枠も離脱期間に応じて使用できる。4か月なら離脱選手のサラリーの50%、5か月なら80%の枠を使用できる。

 そのためにはリーグ機構に診断書を提出する必要があるが、テア・シュテーゲンはバルセロナに対してそのための同意書へのサインを拒否し、チームドクターが状態をチェックするために自宅を訪問することも拒否したと、スペイン紙「マルカ」などの大手メディアが次々に報じていた。

 バルセロナは今夏にGKジョアン・ガルシアを獲得し、GKヴォイチェフ・シュチェスニーも契約更新したことからテア・シュテーゲンが第3GKへ降格する可能性が高まっている。しかし、両者ともサラリーキャップ超過のために登録できておらず、「マルカ」紙によれば「バルセロナが選手を登録するための2つのうち1つの方法」がテア・シュテーゲンのサラリーキャップ枠を利用することだとしている。現状、GKは負傷中のテア・シュテーゲンと移籍のために動いている第4GKのイニャク・ペーニャしか登録されていないとされた。

「マルカ」は「テア・シュテーゲンは動じない。いかなる状況でも書類に署名せず、バルサを離れるつもりはない」と見出しを打って報道。「マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンはバルサからの圧力を無視し、いかなる状況においても、バルサがラ・リーガに提出を望む診断書に署名することはないだろう」とし、主将の座“はく奪”に関しても「心配していません。テア・シュテーゲンは、ロッカールームでの自身の影響力は全く変わらないと信じており、もしクラブがその決定を下したとしても、唯一の違いはキャプテンマークを巻かなくなるという事実だけだと考えています。マルクは、クラブの財政問題に起因する圧力にうんざりしているロッカールームからの支持を感じています」と本人の考えを綴った。

 バルセロナは「クラブはスポーティングディレクター、コーチングスタッフとの双方の合意のもと、ファーストチームのキャプテンとしての彼の役割を一時的に剥奪することを決定した」として、副キャプテンのロナルド・アラウホが役割を代行するとしている。

 シュテーゲンとの対立は今シーズンへのスタートに大きな影響を与えそうな情勢だが、両者は着地点を見つけることができるだろうか。

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