“東の横綱”と「冷静に戦えている自分」 8強へ導いた3年生…全国トップ相手に手応え

飯塚の木下宗祐「相手を強くリスペクトしすぎていたというか、恐れていた」
7月26日から福島県で開催されているインターハイ男子サッカー。全国の予選を突破した51校が真夏の王者の栄冠をかけて激しく火花を散らすこの大会で、躍動を見せながらも、志半ばで「敗れし者たち」をピックアップしていく。
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第13回は準々決勝において、選手権準優勝でプレミアリーグEAST2位の流通経済大柏に挑んだ飯塚の181センチの3年生CB木下宗祐について。結果は0-2の敗戦だったが、彼が感じたトップレベルの迫力と手応えとは。
タイムアップのホイッスルが鳴り響いた瞬間、飯塚の真夏の挑戦はベスト8で幕を閉じた。木下は“東の横綱”である流通経済大柏に対し、最後まで果敢に空中戦や対人の守備に挑み、声を出して仲間を鼓舞し続けた。
「相手は全国トップと言っていいチーム。目標としているベスト4以上に行くには、そういう相手を倒していかないといけないと思っていたので、臆することなく勝ちにいきました」
どんな相手にも臆さないメンタリティーが彼にはある。1、2回戦を1失点できり抜けると、3回戦では米子北のロングボールに対して気合で一歩も引かずにはじき返し続けた。特に驚異のジャンプ力を誇る米子北FW妹川将基とのエアバトルは、70分間最後まで続き、一歩も引かなかった。PK戦のときは誰よりもリアクションが大きく、外した選手を慰め、決めた選手に喜びを爆発させる。見ていても、非常に感情豊かな選手だった。
迎えた流通経済大柏との大一番。186センチのFW大藤颯太と馬力とスピードで地上戦を仕掛けてくるFW金子琉久の2トップ、183センチのトップ下FWオゲデベ有規と高さ、パワー、スピードを兼ね揃える前線の3枚に対し、センターバックを組むDF森本快とともに真っ向から立ち向かった。だが、届かなかった。
「クリアの質、球際の強さ、個の能力がすごかった。僕らが上がろうとしても、すぐにセカンドを拾われてひっくり返されてしまうので、押し戻されてしまう時間が続いてしまいました」
全国トップレベルの実力を痛感させられたが、木下には“未来の光”が見えたという。
「ビルドアップの際の激しいプレスも含め、もちろん怖さはありましたが、冷静に戦えている自分がいました。試合前は相手を強くリスペクトしすぎていたというか、恐れていた部分はあったのですが、いざピッチに立ってみると、手応えを感じたんです。もちろん基礎的な技術、ポジショニングはもっと突き詰めていかないといけませんが、一番の敵は“弱気”であることが分かりました。気持ちでは負けない、強気でいくことの大切さを改めて学びました」
ベスト8は堂々たる成績。だが、これからはプリンスリーグ九州1部での戦いが待っているし、何より冬の選手権出場に向けて、激戦区・福岡のライバルたちがリベンジに向けて手ぐすねを引いて待っている。
「福岡は東福岡(プレミアWEST所属)がいるのが一番大きいですし、東海大福岡、福岡大若葉など力があるチームが多いので、予選を勝つこと自体が相当難しい。でも、全国を経験して、やっぱり大きな価値があると思ったので、絶対に県を突破して選手権に出たいという気持ちが強くなりました」
ライバルたちとの激戦を乗り越えていくには、試合は強気の気持ちで戦い、練習は課題と真摯に向き合って己を磨き続けるのみ。ベスト8という結果は、木下にサッカー選手として一番大切なことを教えてくれた。
(FOOTBALL ZONE編集部)



















