41歳になったレジェンド助っ人「ファンタスティックだ」 J3でも現役を続ける訳

ピーター・ウタカは栃木ダービーの後半16分から出場
これまでJ1リーグやJ2リーグでも実績のある選手がJ3リーグでプレーすることが増えてきた。今シーズン、栃木シティに加入したFWピーター・ウタカも、そんな選手のうちの一人だ。41歳というキャリアの晩年に入った元ナイジェリア代表のストライカーは、これまで6つのJクラブを渡り歩き、2016年のJ1リーグ得点王、2020年のJ2リーグ得点王のみならず、ベルギー2部リーグ得点王、デンマーク1部リーグ得点王にも輝いた実績を持っている。
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今季、初のJリーグ参入を果たした栃木シティでは、途中出場が多いが、13試合3得点という数字を残している。7月26日のJ3リーグ第22節の栃木SCとの栃木ダービーでも、0-1の後半16分からチームを救うべくピッチに立った。そして同27分には後方からのロングボールをピタリとコントロールして、エリア内で右足のシュートを放った。
「(齋藤)恵太から素晴らしいボールが来たね。そこからはすべてのストライカーが考えるように、ボールを跳ねさせないようにした。ボールがピッチに着いたら、それを合図にDFが寄せてくるからね。そこまでの動作が完ぺきだったから、打った時には『入った』という感触があった」と振り返った一撃だったが、わずかにポストの左に外れた。「何センチ、枠から外れたか分からないけれどね。決めたかった。もう少しうまくできればよかったね」と両手を広げた。このチャンスを含め、無得点に終わった栃木シティは0-1で敗れ、首位から3位に後退することとなった。
試合後、ウタカは「ここでの初のダービーだったけど、負けてしまったからガッカリしているよ。特にホームでは負けていなかったから、変な感覚だし、イライラしているよ。全員が最後の瞬間まで全力を尽くして戦っていた。不運にも勝ち点1も得られなかったからね」と言う。それでも、「ダービーに負けたからといって、ダメージはない」と続けた。
「僕たちは毎週の試合に勝とうとしているし、負けないようにしている。今日はそれができずに落胆しているし、ダービーだったから余計に勝ちたかった。せめて引き分けたかったよ。でも、やるべきことは試合を振り返って、学ぶだけだ。ダメージを受けている場合じゃない」
途中出場が続いているウタカだが、先のフィニッシュのシーンで見せたように個の力はJ3で今もトップクラスだろう。コンディション的には「先発でも問題ない。でも、今は途中出場で力を出すことを求められているからね。途中出場でも結果を残す選手はいる。急に出番が来ることになって、一気に準備をしないといけない時は困ることもあるけれど(笑)、今はチームもうまくいっているし、先発の選手も点を取れているから、自分が先発するチャンスを得た時にはそのアドバンテージを生かせるように引き続き準備したい」と、チームに求められることを続けていくと語った。
現在のJリーグ全体を見ても、豊富な実績を持つウタカだが、現在J3という舞台でプレーする原動力として「タイトル」を挙げた。「ここまでもJ1リーグ、J2リーグで結果を残すことができて、Jリーグの歴史に何かしらの足跡は残せたと感じている。J1とJ2の両方で得点王になった選手が何人いるか知らないけれど、そのうちの一人だしね。でも、プレーを辞める前に何かを勝ち取りたいんだ。そのチャンスを栃木シティがくれた。この機会を生かして自分がリーグ優勝を果たしてクラブをJ2に導けるか。それが達成できれば、僕にもチームにもファンタスティックで美しいことだ」と、J史上4人しか成し遂げていないJ1とJ2の両リーグで得点王に輝いたストライカーは、自身がピッチに立ち続けている理由を口にした。
栃木シティというクラブのポテンシャルについて「とても高いと思う。ベンチを見てみても僕とか、ものすごい顔ぶれ、クオリティの選手がいるからね(笑)。でも、誰が先発しても、途中出場しても、チームのレベルが変わらないことが大切だ。ポテンシャルは間違いないから、あとは毎日学び続けて、向上し続けられるか次第だ」と、目標が達成できるかどうかは、自分たち次第であると強調した。
(河合 拓 / Taku Kawai)




















