浦和監督「我々のレベルに達しない」 ファンから厳しい横断幕…クラブW杯の反省生かせず「悪循環」

浦和はFC東京に2-3で惜敗
浦和レッズはクラブ・ワールドカップ(W杯)へ参戦した後で初の国内リーグ戦となった7月19日のJ1第24節FC東京戦に2-3で敗れた。試合後にはサポーターからクラブの姿勢を問う横断幕が出されるなど、厳しい再スタートになった。
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浦和は6月に米国開催のクラブW杯に出場し、リーベルプレート(アルゼンチン)、インテル(イタリア)、モンテレイ(メキシコ)といった南米、欧州、北中米の名門クラブと対戦して3連敗のグループリーグ敗退だった。とはいえ、前評判でも挑戦者の立場だったのは明らかだったところから国際レベルの経験を積み、それを生かすべくシーズン後半戦に向けた再始動がFC東京戦だった。
浦和は前半6分にアーリークロスからシンプルな失点を喫してしまう。それでも、前半15分にはクロスのこぼれ球に素早い反応を見せたMF安居海渡が相手と競り勝ってミドルシュートを決め、前半20分にはサイドに開いたMFマテウス・サヴィオのスルーパスからMF渡邊凌磨が決めた。渡邊はこの場面を「あれがFC東京の弱点」と事前の分析も含め、良い形のゴールだったと振り返った。
しかし、その後は自陣で過ごす時間が長くなってしまった。前半終了間際の場面こそビデオ・アシスタント・レフェリーの介入と映像確認で同点ゴールが取り消されたが、後半も押し込まれる時間が長く後半21分にはクロスをFWマルセロ・ヒアンにキープされ反転シュートを許した。ボールがDF石原広教に当たってGK西川周作の逆を突く不運もあったが、ペナルティーエリア内で守る回数が増えている中では起こり得るプレーになってしまった。
マチェイ・スコルジャ監督は「ローディフェンスは本日、我々の強みになりませんでした」と話し、「ペナルティーエリア内の守備も、通常の我々のレベルに達しないものになってしまい、嫌なゴールを2つ喫してしまいました」と話した。試合終了間際に喫した決勝ゴールはセットプレーのこぼれ球だったが、2点目まではいずれもクロスからのものだった。一方で、ローディフェンスの状態から脱出せずにゴール前で守るだけになってしまう展開はクラブW杯のインテル戦と同じ状況だった。
渡邊は、こうした押し込まれる状態について「(ボールを)取った後、ロングボールでクリアするのみで、ローディフェンスしている時のクリアも狙いのないクリアボールになる。セカンドボールを拾われる。二次攻撃、こういう悪循環があるとローディフェンスしていても、ローディフェンスって押し込まれている状態なので、ゴールに近いところでプレーされる時間帯が増えれば増えるほど、得点される確率が上がってくると思うので、それの結果なんじゃないかなという感じです」と振り返った。
また、西川は改善点を問われると「ラインの上げ下げは本当にこまめにやっていかないといけないですし、深いところから一回戻されて、ペナ角ぐらいのところからのクロスに対しても、ディフェンスがたくさんゴール前にいる状況でもあるので、そこで一歩、二歩でもラインを上げることが、僕のプレーエリアも広げてくれる要因にもなってくれるので、そこはやっぱりディフェンスラインにしっかりともっともっと要求しながら、やっていかなければいけないなと思う」と話している。
浦和サポーターが集まったゴール裏では、試合後に「目標も準備も検証も曖昧なCWC(クラブW杯)。4年とその未来に向けクラブと株主は道筋を示せ」と、姿勢を問う横断幕が出されていた。世界の大舞台で戦った後の仕切り直しの一戦で出鼻をくじかれてしまった浦和は、ここからシーズン後半戦に向けて経験を生かすような姿を見せられるか。23日の湘南ベルマーレ戦のプレーぶりが注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)




















