米国遠征に「食い込んでくるかもしれない」 東アジアで爪痕…英記者が期待する3選手

英記者がE-1の活躍から期待する3選手に言及【写真:産経新聞社】
英記者がE-1の活躍から期待する3選手に言及【写真:産経新聞社】

英記者が韓国戦を総括

 日本代表は7月15日、韓国で開催されているEAFF E-1サッカー選手権で、韓国代表1-0で破って2連覇を果たした。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合を総括した。

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 にわかには信じがたいが、日本がE-1選手権で連覇を成し遂げたのはこれが初めてだ。森保一監督の常連メンバーは不在だったが、日本代表はタイトルを勝ち取った。

 引き分けでも優勝が決まる試合で、違いを作り出したのはジャーメイン良だった。前半8分に放ったボレーシュートは韓国GKチョ・ヒョヌにとってノーチャンスの一撃だった。

 相馬勇紀のカーブのかかったクロスから決めた繊細かつ完璧なフィニッシュ。サンフレッチェ広島のストライカーは与えられたチャンスを最大限に生かし、代表に再び招集される権利を主張しているかのようだった。

 元ジュビロ磐田のFWは年齢的に長期的なオプションではないかもしれない。だが、彼は今大会の森保ジャパンの前線に不可欠な存在となり、ゴールという結果で違いを生み出した。

 初戦のホンコン・チャイナ戦では、誰が出ていても日本が勝っただろう。だが、ジャーメインはこの試合で相手を大きく上回る能力があることを示した。そして、韓国戦ではフィニッシュのクオリティーの高さをさらに強調した。

 この8日間のパフォーマンスは確かに素晴らしいものだったが、彼が9月に行われるメキシコとアメリカとの試合で再び招集されるかどうかは、まだ議論の余地があるだろう。J1リーグで好調が続けば、森保監督に決断を迫ることができるはずだ。

望月、大迫、相馬のパフォーマンスを称賛

 望月ヘンリー海輝もまたアメリカ遠征に選ばれる可能性を残す活躍だった。ゴールも決めた中国戦ほど目を引くものではなかったが、決して悪くはなかった。

 終盤、ヘディングでの競り合いでイ・ホジェと接触したプレーは不運で、めまいを起こしているような様子もあったが、町田ゼルビアでプレーする23歳は最後まで力強いパフォーマンスを見せた。

 大迫敬介も次回のメンバーに選ばれる可能性を十分に残している。相馬勇紀も候補として食い込んでくるかもしれない。ウイングとしての鋭いパフォーマンスだけでなく、リーダーとしての役割も印象的だった。

 この大会での成功は、J1リーグの継続的な成長と東アジアの他の国との実力差がついてきたことを物語っている。

 韓国も日本と同様に主力メンバーの多くを欠いていたとはいえ、森保ジャパンに比べて、ホン・ミョンボ監督のチームはベストメンバーに近い水準だった。

 日本は“4軍”ともいえるメンバーで勝利を挙げたことは、サムライブルーがこの地域でいかに優れた存在であるかを示している。重要なのはこの優位性を今後、特に来年のワールドカップに向けて、どれだけ生かせるかということになるだろう。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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