58歳カズ、長友に刺激「若手が頑張っている」 香川ら3人グループLINEで深める絆

試合後、有森裕子さん(右)と並んで笑顔をみせるカズ【写真: 荻島弘一】
試合後、有森裕子さん(右)と並んで笑顔をみせるカズ【写真: 荻島弘一】

日本代表の長友佑都に言及、カズが意欲「僕も頑張らなきゃと思う」

 アトレチコ鈴鹿のカズことFW三浦知良が、日本代表DF長友佑都(FC東京)の活躍を喜んだ。カズは7月13日、ホーム三重交通Gスポーツの杜鈴鹿で行われたレイラック滋賀戦で7試合連続のベンチ入り。出場機会はなく、チームも0-1で敗れた。試合後には長友のE-1選手権・中国戦出場を受け「若手が頑張っているので、僕も頑張らなきゃと思う」と話した。

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「若手なんでね。僕よりも20歳も若い」とカズは笑いながら話した。58歳のカズにとっては、38歳のベテランも「若手」。5度目のワールドカップ(W杯)出場を目指して努力を続け、2022年カタールW杯以来950日ぶりに日本代表としてピッチに立った長友に、ユーモアあふれるエールを送った。

 普段から食事をしたりメールをしたりする仲。「香川(真司)と長友と僕、3人のグループLINEで連絡を取り合っている。励まし合っているというと変だけど、お互いに刺激し合ってはいます」と明かした。「W杯に出たいという思いも知っているので、活躍は嬉しいですね」とも言った。

「みんなの代表だから」と日本代表選手をリスペクトし、試合も欠かさずチェックするカズだが、今大会は「テレビ放送がないと思っていて、放送していたことを今日知った」。長友のプレーを見逃したことを悔やみながらも「次は見ます」と頼もしい後輩たちに期待した。

 2022年W杯直前、長友はJFL最年長ゴールを更新した鈴鹿のカズを「メンタル・モンスター」と言って絶賛。「大事な時にメールをくれる。それもいつも敬語。僕らのような後輩にも、そうやって接してくれるカズさんは凄い。僕もカズさんのようになりたい」と話した。この日のカズの「エール」を、韓国にいる長友は喜んで受けるに違いない。

 カズの周りには人が集まる。この試合、キックインのセレモニーに五輪女子マラソンメダリストで日本陸連会長に就任したばかりの有森裕子氏が登場した。知的障がい者のためのスポーツ組織「スペシャルオリンピックス日本」の前理事長として活動の一環で訪れた。

 試合後には有森氏、集まった知的障がいを持つアスリートたちと記念撮影。歓喜する子供たち1人1人とハイタッチしたカズは「みんな目がキラキラしていた。こうやって、喜んでもらえるのは嬉しい」と話した。

五輪女子マラソンメダリストの有森裕子氏も絶賛「私が現役だった頃から…」

 カズと有森氏は同年齢ということもあって、以前からの知り合い。有森氏が「私が現役だった頃から、カズさんは輝いていて、羨ましかった。今も現役でプレーしているのは、本当に凄いですよね」と言えば、カズも「有森さんが(五輪で)銀メダルと銅メダルを獲ったことが、その後の高橋(尚子)さんたちの金メダルにつながった。そんな偉大なランナーに来ていただいて嬉しいです」と話した。

 この日、鈴鹿に勝ってJFL首位に浮上したレイラック滋賀の角田誠監督も、カズを尊敬する1人。「まだ僕がユースの頃に京都で一緒でした。短い期間でしたが、一緒にできて嬉しかったし、今も試合前には挨拶させてもらっています。そんなカズさんがいる強い鈴鹿さんに勝つことができて、良かったです」と話した。

 前節「プロ40周年記念試合」と銘打たれたヴィアティン三重戦はスタメン出場して45分間プレー。「特に疲れはないし、いつもどおりに準備はできた」と話したが、この日は終盤に退場者を出したこともあって出番なし。「出られなかったのは残念」と、変わらず試合出場に意欲をのぞかせた。

 そのヴィアティン戦は0-3から驚異の粘りで3-3と追い付いて引き分けたが、この日は序盤の失点を取り返せず「チャンスはあったが、得点できなかった。しっかり切り替え、次に向かわないと」と4戦勝利なしに危機感も見せた。

 JFLは今節から後半戦、7月中に2試合を行い、8月は中断される。「2試合に勝って、いい形で中断期間に入りたい。8月にいい準備をして、再開を迎えたい」。チームは勝ち点20のままで9位に後退したが、首位・滋賀との勝ち点差はまだまだ逆転可能な11。多くの声援を受けながら、カズと鈴鹿は巻き返しを目指す。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)



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荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

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