お手本は”ミスターアルビレックス”の父 「こういうパスを出せる選手に」…逸材2年生の基準

桐生第一で中心の2年生ボランチ・本間響
ピッチ上の中で常に周りを見ている。首と目を動かしながら周りを見て、ボールを引き出してから多彩なキックで攻撃を構築する。桐生第一の2年生ボランチ・本間響はリズムメーカー、リズムチェンジャーとして、チームの中で重要な輝きを放っている。
【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!
プリンスリーグ関東1部・第9節の帝京戦。彼はビルドアップの際に相手の間に立ってボールを引き出し、ターンで前を向いてから縦パスを入れたり、サイドチェンジや同サイドの裏へのロビングを入れたり、視野の広さを生かしたパスでチームを動かしていた。
結果は1-3の敗戦となったが、「今日の響は冴えていた。もっとやってくれると思う」と中村裕幸監督が口にしたように、頼もしい姿を見せてくれた。
「2年生だからとかではなく、もっと自分がゲームを作る意識やシュートへの意識を持たないと『あのダブルボランチ』には追いつけないと思いました」
彼が言う『あのダブルボランチ』とは、同じ群馬県最大のライバルである前橋育英の竹ノ谷優駕スベディと柴野快仁の昨年度の選手権優勝メンバーであるダブルボランチだ。帝京戦の2週間前、インターハイ群馬県予選決勝で激突し、後半に2失点を喫して0-2の敗戦を味わった。
「2人は技術レベルが高くて、運びながらのパスやシュートの質が高い。何よりあれだけの技術を持ちながら、守備面でもハードワークをしっかりこなす。本当にレベルの高さを感じたし、僕はまだ運ぶなら運ぶだけ、パスならパスだけになってしまうことが多いので、彼らのプレーが当たり前のようにできるようにならないといけないと思っています」
まざまざと差を見せつけられた結果だが、彼の見えている場所、空間認知力、キックの質など上を目指せる素質は十分にある。
「キックは回転まで意識をして蹴っています。背後に落とすならふんわりしたボールだったり、サイドチェンジするならストレートで速いボールだったり。球種はもっと増やすために練習中ですが、ストレート、落とすボール、インカーブ、アウトカーブ、カットキック。右利きですが、左も同様に蹴れるように練習をしています」
父は元アルビレックス新潟の本間勲
キックにこだわる彼には最高のお手本がいる。それは父であるミスターアルビレックスの本間勲(現・アルビレックス新潟強化部スカウト)のキックだ。現役時代、ボランチとして多彩なキックでゲームをコントロールしてきた父から、一緒にボールを蹴ることでキックの重要性を伝授されたという。
「引退した時はまだ幼かったし、お父さんの映像はあまり見ませんが、アルビ(新潟U-15)にいた中学までは、月曜日の練習オフの日によく一緒にボールを蹴っていました。広場で蹴るのですが、僕はスパイクシューズでお父さんはトレーニングシューズだったのですが、飛んでくるボールがめちゃくちゃ多彩で正確なんです。低いボール、高いボール、背後に落とすボール、どれも一切ずれないし、かつ回転が綺麗なので物凄くトラップがしやすいんです。ピタッと足元に置ける。『僕もこういうパスを出せる選手になりたい』と強く思うようになりました」
あの時の感触はずっと自分の中の1つの明確な基準になっている。だからこそ、「アドバイスはよくもらいますが、『見せてもらった』記憶はしっかりと残っています」と、自分のキックが正確性を欠いたり、ミスがあったりするとすぐに感触で分かる。それによって、より彼の意識やトレーニングでのキックへの感覚は研ぎ澄まされる。
「ボランチを深く知れば知るほど、本当に難しくて、魅力的なポジションだと思います。同時にお父さんは現役時代、物凄く考えてやっていたんだなと。前橋育英の壁は高いですが、選手権では絶対に打ち破って選手権に出ることと、リーグでは2度目のプレミア昇格を目指して、自覚を持ってやっていきたいと思います」
ポテンシャルは十分。謙虚で実直な生粋のボランチは、父の偉大さを噛みしめながら、ライバルを超えるために日々精進を続けている。
(FOOTBALL ZONE編集部)




















