大会レベル超越の森保Jは「韓国と優勝を決める戦いへ」 英記者指摘「森保監督は決断しなければ」

中国戦に英記者が見解【写真:産経新聞社】
中国戦に英記者が見解【写真:産経新聞社】

英記者が中国戦を総括

 日本代表は7月12日、韓国で開催されているEAFF E-1サッカー選手権の第2戦で中国代表を2-0で下した。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合を総括した。

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 新たに5人がデビューを飾った日本代表は中国を2-0で一蹴し、EAFF E-1選手権で再び韓国と優勝を決める戦いへ挑む。

 今大会も日本と韓国が力の差を見せつけ、事実上の決勝戦を迎える例年と同じような流れになった。放送局や商業パートナーにとっては都合の良い展開だが、適切な緊張感は残っているのだろうか?

 日本と韓国はライバル関係にあり、常に重要な意味を持っているが、試合内容は年々乏しくなっている。特に日本はこの大会の水準を遥かに超えた実力になっており、この大会に参加する意義が問われる段階に来ているといえるだろう。

 森保一監督率いる日本代表は国内組だけでメンバーを構成したが、ほぼベストメンバーの中国代表にも危なげなく勝利を収めた。

 ワールドカップアジア最終予選での2試合(埼玉での7-0、厦門での3-1)ほどの差にはならなかったとはいえ、ほぼ一方的な試合となった。

 とはいえ、ポジティブな話題もあった。望月ヘンリー海輝は右サイドで目を引くパフォーマンスを披露した。町田ゼルビアのDFは優れたアスリート能力を生かし、ペナルティーボックスからペナルティーボックスへと縦横無尽に駆け回った。

長友がカタールW杯クロアチア戦以来となる先発出場

 細谷真大の先制ゴールも、素晴らしいフィニッシュだった。柏レイソルのストライカーは田中聡からの鋭いパスをファーストタッチで足元に収めると、右足でGKイエン・ジュンリンを破るシュートをゴール左隅へと突き刺し、代表3得点目を挙げた。

 細谷が決めた前半11分の先制ゴールは、4度のアジア王者を誇る日本が前半を支配したなかで最低限の得点だった。

 実際、最初の45分で他に注目すべき場面は植田直通のミスだけだった。このDFはボールをこぼし、ジャン・ユーニンに奪われたが、GK早川友基が決定的なセーブで経験豊富なチームメートを救った。

 長友はおよそ3年前のカタール・ワールドカップのクロアチア戦以来となる先発出場で代表143キャップ目を刻んだ。39歳の誕生日まであと2か月となり、全盛期のように左サイドを縦横無尽にアップダウンする能力こそ失われつつあるが、経験と狡猾さでチームを支えていた。

 それは植田直通も同様だった。国際大会での経験がほとんどないラインナップの中で、この2人がチームの中心となっていた。

 ここまで2試合でほぼ全ての選手のプレーを目にした森保監督は、ここから火曜日の韓国戦でどの選手を先発に起用するのかを決断しなければならない。

 ウォーミングアップは終わり、ついに重要な一戦を迎える。引き分けでも日本の優勝が決まるが、それではサムライブルーを率いる厳しい指揮官を満足させることはできないだろう。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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