海外組に割って入るのは? 4ゴールFW、22歳逸材…英記者注目「間違いなくもう一度チャンスを」

英記者が香港戦に見解【写真:Noriko NAGANO】
英記者が香港戦に見解【写真:Noriko NAGANO】

英記者が香港戦を総括

 日本代表は7月8日、韓国で開催されているEAFF E-1サッカー選手権の初戦で香港代表に6-1で勝利を収めた。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合を総括した。

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 26分で5ゴールを挙げ、そのうち4得点はFWジャーメイン良が記録した。E-1選手権の日本の開幕戦は、すぐに森保一監督の率いるチームが何点取るかが唯一の注目点となった。

 今大会に森保監督が選出したのはJ1リーグでプレーする選手たちであり、実質は3軍、4軍とも言えるチームだ。それでもアシュリー・ウェストウッド監督の率いるチームがこれだけの大敗を喫したという事実によって、両国間にある格差が如実に示された。

 チームのエネルギーと熱意を感じ取るとともに、開始早々から試合を決めようと相手を落ち着かせなかった姿勢も確認できた。先発した選手たちに油断はなく、日本は序盤から優位性を示していた。

 先発イレブンのうち6人がデビュー戦であり、全員の合計キャップ数は23だった。しかも、そのうちの14キャップは相馬勇紀が有しているもので、前回のW杯にも出場したウイングは、国際舞台で経験を積んでいると言える唯一の選手だった。

 残りのチームで日本代表としてある程度プレーした経験があったのは、サンフレッチェ広島のMF川辺駿のみだった。

 しかし、国際舞台での出場回数の少なさが、すべてを物語っていたわけではない。選手たちの年齢という側面では、バランスの取れたものだった。19歳のGKピサノ・アレクサンドレ幸冬堀尾を除けば、将来性のある若手を欠くメンバー選出だった。森保監督はかわりに抜け目のないJリーガーでチームを組んだ。

ジャーメインは4得点でアピール成功か

 監督は来年のW杯で前線をけん引するセンターフォワードを見つけたいという希望を口にしていたが、より中央でその役割を託された垣田裕暉以上に、ジャーメインはその可能性があることを示すことができたかもしれない。

 広島のFWは4月に30歳になったが、代表デビューを果たした。Jリーグの成績を見ても彼が遅咲きであることは明白だが、より強い相手にもこれだけのポジティブな影響を与えられるかは、まだ不明である。

 それでも、たった45分間の出場で4ゴールを決めて自信を付けた彼は、間違いなくもう一度チャンスを与えられる権利を獲得しただろう。

 ほかの選手が同じように次のチャンスを得られるほどのアピールができたかは、疑問が残るところだ。中村草太は日本の遅い時間帯の6点目を決めて、この先の大会で実力者を相手にさらなるテストを受けられるに値する活躍を見せたといえるだろう。

 しかし、この試合は日本が楽勝する可能性が高い試合であり、大きなテストの場はこの先に待っている。このスカッドについて何か注目すべきことを森保監督が学べるのは、中国戦と韓国戦からになるだろう。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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