16歳プロ契約逸材への要求「この程度でいいのか」 新たにした自覚…描く近未来「ビッグクラブへ」

7日に北原槇がクラブハウスで記者会見を行った
16歳の誕生日である7月7日にFC東京とプロ契約を結んだU-18日本代表MF北原槇が、クラブハウスで記者会見を行った。クラブ史上最年少のプロ選手となった北原は、「(会見場に)入る前は緊張していたけれど、入り口で姉の姿が見えてそこですごくほぐれました」と言うように、両親と姉も見ていたなか、若さを感じさせない堂々とした受け答えで、約30分の会見というプロサッカー選手としての最初のイベントをこなした。
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7時7分、FC東京からプロ契約締結のリリースが出てから、北原には友人たちからも多くの声が届いた。そうした祝福のメッセージを受けて気を引き締めたという。
「朝から友達から連絡が来て、そういうのが来て改めてプロサッカー選手になったんだなという自覚が芽生えましたし、すごく嬉しい気持ちでいっぱいでした。そういう友人、今まで切磋琢磨してくれたチームメイトがいなければ、今の僕もいないので、本当に感謝の気持ちも忘れずに頑張りたいなと思います」
会見の中で北原は何度も周囲への感謝を口にし、アカデミー出身選手としてFC東京を背負っていく覚悟、そしてクラブを初のリーグ優勝に導く決意を述べた。これまでもピッチ上で十分にJ1で戦える能力は示してきたが、しっかりしたメンタリティもJリーグの規定上、最も若いタイミングでのプロ契約につながったのだろう。
この先のキャリアについては、「今までトップチームの試合に絡めていたなかで、最近自分の実力であったり、結果を出せていなかったからこそ、試合に絡むのが難しくなっています。練習から高い強度を示し、ほかの選手と違うところを見せて、まずは東京でしっかりした地位を確立しする。そして東京を(J1)優勝に導くことが直近の目標です。3年後、5年後は、世界的に見ると僕の年齢でも世界のチームで主軸にならないといけない年齢だと思うので、海外移籍をして、A代表に選ばれることもそうですし、チームで結果を出してビッグクラブへ移籍することだったり、UEFAチャンピオンズリーグに出ることを目標にしたい」と、自身の描いているキャリアを語った。
周囲が大きな反応を見せるプロ契約締結も、そこへ向けたスタートラインに立っただけだと北原は自覚する。トップチームとU-18の両方で活動している北原は、FC東京U-18の佐藤由紀彦監督からは「トップチームから帰ってきて、この程度のプレー強度やチーム貢献度でいいのか」と、毎回のように言われているという。「正直、それはその通りなので受け入れるしかないですし、トップチームとユースでは要求のされ方は違うので、トップチームはトップチーム、ユースはユースとしっかり分けて考えて、どちらでも、どんな監督からも必要とされるようにしたい」と言う。
今後は同年代の選手やより若いアカデミーの選手たちからも、今まで以上に注目を集めることになるだろう。「今、僕がここにいるのも、こうしていられるのも、中学1年生の時からの仲間がいなければ、こういう場所にいられなかったので、そういうチームメイトやいろんな方々への感謝は忘れません」と北原は言い、「それとともに、僕がこうしてプロ契約を結びましたけど、どこかで『悔しい』と思っていたり『追い抜いてやる』と思っていたりするチームメイトが絶対にいる。そういう人たちに追い抜かれないこともそうですし、引き離すためにも、このプロ契約で慢心をせずに努力をしていきたいと思います」と、続けた。
次の試合からは、自身の希望で変更となった背番号「77」でプレーすることになる。この日初めて背負った「77」について「居心地がいい」と感想を口にした16歳は、「プロ契約ができたのも、今まで応援してくださったファン・サポーターのみなさんのおかげです。その感謝の気持ちを僕が味の素スタジアムでチームの勝利に貢献することやJ1リーグ優勝で返すことができると思うので、そういうところを見せたいですし、あとはユニフォームを買ってほしいです」と、ファン・サポーターへの誓いとメッセージで会見を締めくくった。
(河合 拓 / Taku Kawai)




















