名将も嘆き「神様いない」 欧州1部→J2移籍…実力者が2戦4発「自分たちは個の能力がある」

高嶺朋樹が後半ATに劇的ゴールを決めた【写真:産経新聞社】
高嶺朋樹が後半ATに劇的ゴールを決めた【写真:産経新聞社】

札幌の高嶺朋樹、劇的ゴールは「興奮しすぎて、ちょっと覚えていなくて」

 北海道コンサドーレ札幌は6月28日、J2リーグ第21節でロアッソ熊本に3-2で勝利した。2万2236人に観客が札幌ドームに詰めかけた一戦は、後半アディショナルタイムにMF高嶺朋樹が逆転ゴールを叩き込む劇的勝利。今季ベルギーから古巣に復帰したキャプテンが、出場停止を挟んで2戦4発と本領発揮している。

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 6月15日に行われたFC今治戦でも2ゴールを奪った高嶺だったが、チームは土壇場で追いつかれて2-2の引き分け。前節の藤枝MYFC戦は出場停止となっていたが、この日は初の右サイドバックとして起用された。DF髙尾瑠が試合3日前に離脱したことで急遽の代役となった形だったが、堂々としたプレーを見せた。

 試合は前半4分にFW神代慶人のスーパーゴールで先制を許す。後半11分にはデザインされたFKから高嶺のゴールで追いついたが、直後に失点。同42分にFWマリオ・セルジオの加入後初ゴールで再び同点とすると、終了間際だった。FKの流れから、こぼれ球を拾った高嶺が豪快ミドル。ゴール右隅に吸い込まれた。

 あまりにも劇的な結末に、岩政大樹監督は「普通に勝てないのか……という感想です」とポツリ。熊本の大木武監督は「神様はいないんだなと……。私が神様に恩を施してないんだなという気がしました」と嘆いた。決まった瞬間は、高嶺本人も「興奮しすぎて、ちょっと覚えていなくて……」と明かしたほどだ。

 そんな高嶺だが、前半戦はキャプテンとしての責任感に苦しんだ。下位を彷徨う時間も続き、次第に笑顔も見られなくなっていった。しかし、ここ2試合は何かが吹っ切れたかのように躍動。2月に対戦したときは0-3で敗れた熊本に借りを返すことに成功し「自分たちは個の能力がある」と自信を持って語った。

「前回やったときは、自分たちが探り探りやっていたところがあったので。大樹さんの戦術に対してまだ自信を持てていないところがあったし、それが今は浸透してきている。ピッチ内で声を出せる選手が多くなったことで苦しい展開で自分たちがどう耐えていくのかだったり、攻め方、相手に対して何が嫌なのかというところの統一ができてきているし、それはすごく大きいと思います」

 本職のボランチで活躍したい思いを持ちながらも、チームを救うためにセンターバックまでこなしてきた。右サイドバックは初めてだったが、「高校のときに右サイドハーフとかやっていたので、そういう経験が生きたのかなと思います」と笑顔。逆転でのJ1昇格へ「もうホームで全勝していかないと追いつけないと思っています」と力強く宣言した表情は、自信を取り戻したように見えた。

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