次代のエースはフットサルから生まれる? 日本でも始まった“サッカーに生かす”新たな取り組み

「日本には優秀な子たちがごろごろいる」

 2009年から16年までフットサル日本代表を率いたミゲル氏は、日本サッカー界について「幼い世代にものすごく優秀な子たちがごろごろ転がっている」と感じていた。その才能が世界と戦える選手へと成長するためには、2つの要素が欠かせないと断言する。

「1つはフットサルとサッカーというのは姉妹スポーツであり、フットサルはサッカーを改良・改善させるために大きく役に立つスポーツだと理解すること。そして、2つ目はスポーツに対する認識そのものを変え、考えながら決断してプレーするという要素を取り入れることです」

 日本は絶対に変わる――。そう自信満々に語るミゲル氏はフットサルのタイ代表を率いる傍ら、愛着ある日本での活動に意欲を注ぐ。「日本という国や文化を否定しているわけではない。新しいものを押しつけるのではなくて、すでにあるものに新しい材料をふりかけるような感覚で捉えてほしい」として、“ミゲル流”の新しい風を日本に吹かせようとしている。

 日本フットサル界を支えてきたトップランナー2人の挑戦はまだ始まったばかりだ。

(続く)

<Profile>

稲葉洸太郎

1982年12月22日生まれ。フウガドールすみだ所属。2004年、史上最年少(21歳)でフットサル日本代表に選出。フットサルW杯には2012年、16年と2大会連続で出場、同大会における日本人最多得点記録を保持している。フットサルスクール「POTENCIA(ポテンシア)」のテクニカルディレクターを務めている。

ミゲル・ロドリゴ

1970年7月15日生まれ。フットサルタイ代表監督。2009年から16年まではフットサル日本代表を率い、2大会連続のW杯出場に導いた。12年大会では三浦知良(横浜FC)を招集して話題になった。フットサルスクール「POTENCIA(ポテンシア)」のメソッドプロデューサーを務めている。

POTENCIA(ポテンシア)

フットサルのスキルを現代サッカーに通用するスキルへと応用するためのメソッドを通して、指導を行うフットサルスクール。稲葉がテクニカルディレクター、ミゲル監督がメソッドプロデューサーを務める。出張レッスンを通じての指導も行っている。詳細は公式サイト(http://potencia.biz)へ。

【了】

石川 遼●文 text by Ryo Ishikawa

神山陽平●写真 photo by Yohei Kamiyama

 

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