強豪校からオファー殺到…U-18昇格せず「あの舞台に立ちたい」 逸材が陥った苦境「実力不足」

市立船橋の佐々木瑛汰「全国高校選手権をテレビで見て、あの舞台に立ちたい」
プレミアリーグEASTから8戦未勝利と苦しい状況が続いている千葉の名門・市立船橋。第8節では同じ県内の最大のライバル・流通経済大柏に0-3の敗戦を喫し、試合後に全体ミーティングを行うなど、この苦境のなかでもがいている。
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「自分の実力不足を痛感しています。特にきょうの試合(流通経済大柏戦)は自分の甘さを痛感しました。試合後、波多(秀吾)監督が失点シーンなどを見せてくれて、1つ1つ競り合いで本気で跳べているか、プレスを本気で奪うつもりで掛けに行けているかと問われたときに、自分は80%くらいで行っていたシーンもあったと思ったので、そこは100%でやれないといけないと思いました」
こう口にするのは2年生FW佐々木瑛汰。彼の瞬間的なスピード、相手のプレスの矢印を折る正確なボールタッチとドリブルのコース取りが秀逸で、市船の試合を見に行くと、必ず目で追ってしまう非常に高いポテンシャルを持ったストライカーだ。
最前線、トップ下、サイドハーフと攻撃的なポジションならどこでもこなすことができ、ボールを持てば切れ味鋭いドリブルでグイグイと前へ行く。常にプレーのベクトルがゴールに向かっているのが見ていて気持ちがいい。
抜群のセンスを持つ彼は北海道コンサドーレ札幌U-15からやってきた。中学時代、札幌U-18に昇格することができたが、「中学2年生のときに全国高校選手権をテレビで見て、ずっとあの舞台に立ちたいと思っていた」と、複数ある強豪校のオファーのなかから市立船橋を選んだ。
「市船に来て感じたのは、守備をしないと試合に出られないということ。自分の好きなことだけしていればいいという環境ではないので、最初は戸惑いましたけど、これが自分の求めていた環境でした」
その長所は伸ばしながらも、チームのために最前列や1.5列目、サイドのどのポジションでも前から果敢にプレスに行き、ボランチやサイドバックを助けるプレスバックも精力的に行う。
昨年は度重なる怪我の影響で離脱することも多かったが、それでも1年生ながらプレミアEASTで4試合、ベスト8に進出したインターハイでは3試合に出場し1ゴール。日体大柏にPK負けを喫した選手権千葉県予選準決勝も途中から出場をした。
そして今年は不動のレギュラーとして8試合すべてにスタメン出場し、2ゴールをマーク。しかし、チームは前述した通り1勝も挙げられず、ここまで4試合連続無得点と苦しい状況に置かれている。
「苦しいですが、きょうの試合もチャンスは作ることができていると思っているし、チームとして力はあると思っています。だからこそ、僕も『球際・切り替え・運動量』のチーム原則をしっかりと体現しながら、何がなんでもゴールを決めるという強い意志とゴール前のプレーの質により拘っていきたい。点を取れていないのは攻撃陣の責任であり、僕自身の実力不足のせい。だからこそ、ここから常に練習から100%出し切るつもりでやっていきたいです」
その目はギラギラと燃えていた。ピンチはチャンス。絶対に負けてはいけないライバル・流通経済大柏に喫した0-3の敗戦、そして今のトンネルは自分をより強くさせるチャンスと捉え、反骨心を燃やす彼は今、改めて自分が高校サッカーに来た意義、そのなかでもここを選んだ意味を再確認している。名門・市船のレギュラーにふさわしいプレーと選手像になっていく意思を心に宿して、注目の2年生ストライカーは力強く前に進んでいく。
(FOOTBALL ZONE編集部)












