中村敬斗に続き…街クラブに現れた超逸材 U-16代表選出「卒業後にJリーグや海外で」

三菱養和SCユースの伊藤優、1年生ながら181cmのサイズを持つアタッカー
JR巣鴨駅のすぐそばに人工芝一面のグラウンドとクラブハウスを持つ三菱養和SCユースはこれまで多くのJリーガーと日本代表選手を輩出してきた「街クラブの雄」。永井雄一郎、相馬勇紀、中村敬斗、望月ヘンリー海輝がその代表格だ。ジュニア時代から一貫した育成を行い、ジュニアユースは調布と巣鴨の2つを持ち、ユースは巣鴨1つとなる。
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今年、前述した彼らに続くのではと期待されるタレントがユースにやってきた。1年生FW伊藤優は181センチのサイズを持ち、スピードとずば抜けた精度を誇る左足のキックを駆使して、両サイド、センターフォワード、トップ下と攻撃的なポジションならどこでもできるユーティリティーさを誇るアタッカーだ。
「どのポジションで起用をされても大事にしているのは、ゴールから逆算をしてプレーすることです。ゴールをまず見てから、その先をイメージしてから目の前の相手を交わしていく感覚です」
幼さが残る顔つきでこうさらりと口にするが、これがどれだけ難しいことなのかはサッカー経験者なら分かるはず。だが、彼のプレーを見ていると、それが口だけではなく、実際にそう思考をしてプレーしているのがよく分かる。
プリンス関東2部第5節の日体大柏戦。彼は1人多い状態で左サイドハーフで投入をされると、ワイドに張り出したり、内側に絞ったりを繰り返しながら、4-4-1でブロックを敷く日体大柏のサイド2人を揺さぶりながらプレーをした。
ボールを受ける際も、足元で受けてから仕掛けるのではなく、常に手前から加速をした状態で受けるため、ワンタッチで背後のスペースを取ることで、相手のブロックを崩していた。その試合ではいくつかチャンスを作るもゴールにつながることはなかったが、彼の能力の高さは感じ取ることができた。
ただ、課題も明白だった。左足の技術は抜きん出ていたが、右足に関してはもっと活用すればいい展開になるシーンはあった。それは本人も自覚をしていた。
「右足は今練習しています。もっと右足でちゃんと蹴ることができれば、怖い存在になれると思います。右で運ぶ分には問題ないのですが、フィニッシュやクロスの面でやはり左足に頼ってしまう。試合の映像を見返しても『なんでそこで右で打たなかったんだろう』と思うこともあるので、そこはもう練習しかないと。個人的には右足でニア上をズドンと狙えるようになったら気持ちいいし、選択肢の幅が広がると思っています」
長所と課題を整理し、高校3年間でよりブラッシュアップをしていく。しっかりと成長へのヴィジョンを持つ伊藤は、小1から三菱養和のスクールに入り、そこからジュニア、ジュニアユース、ユースと巣鴨のグラウンドでずっと汗を流している。
「小1からお世話になっているチームだし、僕のことをよく知ってくれているチーム。僕のいいプレーが一番出しやすい環境なので、ここで頑張って、高校卒業後にはJリーグや海外でプレーできるようになりたいと思っています」
中学3年だった昨年からプリンス関東2部を6試合経験し、U-15日本代表に選出。今年も4月のU-16日本代表フランス遠征を経験した。
「養和はプリンス関東2部ではなく、1部、プレミアにいるべきチーム。この3年間でチームを上のカテゴリーに戻したいという気持ちがあります」
かつて三菱養和はプレミアリーグが立ち上がった2011年から2014年までプレミアEASTにいた。2015年にプリンス関東に降格し、2023年にプリンス関東2部降格の憂き目にあった。伊藤は自身の成長とチームの巻き返しを同時に達成するべく、きょうも巣鴨のグラウンドで自己研鑽に励む。
最後にカットインする姿や貪欲にゴールを目指すプレーが中村敬斗に似ていると伝えると、実に彼らしい答えが返ってきた。
「尊敬している選手なのは間違いありません。でも、僕は自分のスタイルを作り上げていきたいという気持ちがあります。どこからでもシュートを狙って決める。そういう姿勢をどんどん出して、自分らしいプレーを確立していきたいです」
逸材と呼ぶにふさわしいスーパールーキー。唯一無二の存在になっていく過程をこれからも追っていきたい。
(FOOTBALL ZONE編集部)




















