土壇場弾で3戦無敗も「甘えちゃダメ」 いまだ17位も…名古屋が手にした“成功体験”「簡単じゃなかった」

アウェーで京都と対戦し1-1のドロー
名古屋グランパスは5月11日、J1リーグ第16節で京都サンガF.C.と対戦し1-1のドローに終わった。試合終盤に値千金の同点弾を決めた名古屋MF稲垣祥は「チームとしてはすごくポジティブ」と、追い付いた内容を振り返りつつも勝ち点3を取れなかったことを悔やんだ。
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試合前まで17位と低迷している名古屋は直近2戦で1勝1分、無失点と上向きの状況でアウェーに乗り込んだ。試合はキックオフ直後から名古屋がロングボールや中盤でのつなぎから連続してチャンスを作るも先制点を奪えず、徐々に京都が主導権を握る展開となった。
「悪くはなかったとは思うんですけどそんなのは今までも何回もあって、結局決め切っていかないとダメ。国立での清水戦は前半で一個決め切ったからこそ、そのあとああいう展開に持っていけるっていうのがあるんで、チャンスがあったとかそれだけではダメだと思います」と、稲垣は先制点を奪えなかったことを反省材料とした。
0-0で折り返した後半25分、京都DF宮本優太のシュートが名古屋DF河面旺成に当たりコースが変わると、FW長沢駿に頭で合わせられ流し込まれた。いつもの名古屋ならここから崩れていき、さらに追加点を取られ守備崩壊というシーンを何度も見てきたが、京都戦では崩れなかった。
「悪い時だったら0-1にされて、0-2にされてたと思う。そこは1つ守備陣も崩れずに0-1から同点ゴールまで持っていけたっていうところはある。その成功体験を次につなげていきたいですし、粘ることによって結果的に勝ち点1もぎ取れるっていうところも1つ今回で得れたと思う。そういう成功体験はチームとして今大きいかなと思います。特にアウェーだったんで簡単じゃなかったと思うし、そのなかでしぶとく勝ち点1取れたっていうのは悪くはなかった。ただやっぱり勝ち点3取っていかないと上位には入っていけないんで、そこはこだわりながらやっていきたいです」
凄まじい予測力「5秒前ぐらいからこぼれるなって」
先制点を奪われ悪い流れのなかでも相手の攻撃を耐え忍んだ名古屋。すると後半39分、河面のロングボールにFW永井謙佑が抜け出しゴール前へ折り返し、MF 浅野雄也がシュートも相手DFにブロックされる。それでもこぼれ球をMF菊地泰智がシュートを放ち再度ライン上でクリアされたが、最後は走り込んだ稲垣が押し込んで同点に追い付いた。
この場面の最初、河面が蹴る瞬間に稲垣はうしろからのビルドアップに参加しようと下がっており自陣にいた。ロングボールが出るや否や、ボールがこぼれてくるのがわかっているかのような全速力でゴール前に走り込んでいた。
「5秒前ぐらいからこぼれるなって絵が見えたんで、信じて走るだけでした。本当に目の前にこぼれてきてくれたんで、そういう勘は大切にしながらやってた結果だなと思います。小さい頃からサッカーしてきて予測する力を磨いてきたんで。今日明日で身に付けたものでもないし、そこは自分にとって他の人にはできない大きな武器かなと思います」
得点シーンでは最初の河面と最後の稲垣以外の3選手は途中から投入されていたが、「選手が変わったなかで良さを生かしていくっていうところは出したと思う。今日に限らず、前節も変わった選手の良さを引き出しながら、ゴールに迫っていくっていうのは何シーンも作れてたんで。そこが表現できるようになってきているのは、チームとしてはすごくポジティブかなとは思います」と、采配もハマっていると感じている。清水戦ではリードしながらもハーフタイム明けの2枚交代から追加点。ファジアーノ岡山戦では0-0ではあったものの、途中出場の浅野が何度も惜しいシーンを作っていた。
「勝ち点1もぎ取れたのは1つ大きなことかなとは思いますし、成長してるかなと思います」としつつも、「もちろん監督とかデザインする側は(チャンス回数の)分母を大きくするってところにフォーカスするしせざるを得ないけど、俺ら選手はその分母に甘えちゃダメで、それが少なくても決めきる決定力とかそこの研ぎ澄ませ方っていうのは個人個人が自分に求めていかないといけない部分なんで。なので選手個人としては、分母少なくても決めきれるっていう価値が出せる部分だと思うんで、そこはこだわってやっていかないとダメかなと思います」と、やはりチャンスを作りながらも得点を奪えなかった前半を悔やんでいた。
これで稲垣は今季6ゴール目で、ボランチながら得点ランク4位タイと奮闘。21年には8得点を決めているが、キャリアハイを更新するペースでゴールを奪っている。予測力を駆使したボール奪取だけなく得点力でもチームを支え、牽引する稲垣の活躍から目が離せない。




















