J2時代に代表招集…24歳の豪快ボレー弾は「素晴らしい技術」 絡み合った“全選手の意図”【見解】
【専門家の目|太田吉彰】三浦颯太のゴールにつながった要素「3人が囮になった」
J1の川崎フロンターレは11月26日、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)エリートでタイのブリラム・ユナイテッドに3-0で勝利した。この一戦で先制のゴールを決めたのは24歳の日本代表DF三浦颯太。叩き込んだ豪快な左足ダイレクトボレー弾に、元日本代表の太田吉彰氏は「この技術は素晴らしい」と絶賛。ゴールに至るまでのチーム全体の動きについても「全選手が意図を持っていた」と目を細めた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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両チーム無得点で迎えた後半34分だった。MF山本悠樹からのスルーパスにMF瀬川祐輔が抜け出す。ふわりと上がったクロスにファーサイドで待ち受けていたのが三浦。豪快に左足を振り抜くと、ダイレクトボレーがゴール右のサイドネットに突き刺さった。均衡を破るスーパーゴールに太田氏も「しっかり被せて、冷静にしっかりと叩き込んだ。その技術は素晴らしいですね」と絶賛した。
また、シュートにつながったチーム全体の動きにも着目。「中にいる前線の3人の動きがいい。点を取るつもりでゴール前に入っていったことで相手のDFが全員つられてラインが下がった。3人が囮になったことで、周りの状況を確認してあえて入っていかなった三浦選手がフリーになることができた。チームとして取った1点ですね」と分析した。
さらに、クロスを上げた瀬川のプレーについても「瀬川選手もあの一瞬でちゃんと中を確認している。三浦選手が外でフリーになっているのも見えていたはず。なんとなく蹴ったわけではなく、全選手が意図を持った、同じイメージを持った川崎らしい攻撃」と称えた。ファンも「上手すぎる」「カッコいい」「半端ないって」「えぐい!」「海外に引き抜かれるのも時間の問題」と喝采の得点シーンだった。
太田吉彰
おおた・よしあき/1983年6月11日生まれ、静岡県出身。ジュビロ磐田ユース―磐田―仙台―磐田。J1通算310試合36得点、J2通算39試合4得点。トップ下やFW、サイドハーフなど攻撃的なポジションをマルチにこなす鉄人として活躍した。2007年にはイビチャ・オシム監督が指揮する日本代表にも選出。2019年限りで現役を引退し、現在はサッカー指導者として子どもたちに自身の経験を伝える活動をしている。