香川真司プレミア上陸で「あいつ、すごいぞ!と」…対戦相手も衝撃「名前が飛び交った」【インタビュー】
香川は「まさしくコロンブスの卵」
いまやプレミアリーグは日本人選手にとって夢の世界ではなく、目標の舞台となった。日本人選手がプレミアクラブで主力を務める日々が非日常ではなくなった。そんな時代を切り開いた先駆者の1人が、かつてマンチェスター・ユナイテッドでプレーしたMF香川真司だ。同時期にサウサンプトンに在籍していた元日本代表FW李忠成氏は、当時の香川が残した”後世に続く功績”を振り返っている。
【PR】ABEMA de DAZN、明治安田J1リーグの試合を毎節2試合無料生中継!
プレミアリーグ2024-25の開幕が今週末に控えるなか、日本国内でプレミアリーグ全試合を独占配信する動画配信サービス「U-NEXT」が「U-NEXT presents プレミアリーグKickoff Party」を都内で開催。李忠成氏は、元なでしこジャパンFW岩渕真奈さん、スケートボードでパリ五輪金メダリストを獲得した堀米雄斗選手とともにゲストとして登壇し、プレミアの魅力についてトークセッションを行った。
イベント終了後、李忠成氏は「FOOTBALL ZONE」の単独インタビューに応じ、サウサンプトンに在籍していた当時のプレミアリーグの話題となった際、ユナイテッドに加入した香川の印象について尋ねられると、「あの年(2012年)のユナイテッドは、真司の活躍なくしてタイトルは獲得していなかったと思う」と語り、香川がイングランドで残した功績の重要性を説いている。
「僕はこれまで出会ってきた選手の中で香川真司が一番上手いと昔から言っているが、真司の域であればプレミアで通用するということを証明してくれたし、日本人選手の指標を築いたのも彼。まさしくコロンブスの卵で、最初に草の根を分けた存在が最も重要で、日本人でもここまでできるという希望を生み出したのが真司だった」
ブンデスリーガ連覇の立役者としてプレミアリーグに参戦した香川だったが、「鳴り物入りというわけでもなかった。当時のドルトムントは勢いはあったけれど今のような強豪クラブの立ち位置というわけでもなかったから」と振り返り、当初は現地で大きな期待を寄せられる新加入選手ではなかったようだ。
しかし、「実際に真司がユナイテッドでプレーし始めて、対戦相手の中でも、あいつ、すごいぞ!と現地での評価が着実に高まっていた」と、プレミアのピッチに立った香川が本場イングランドをざわつかせる存在感を解き放ち、「セインツの選手たちの間でも、シンジ・カガワの名前が飛び交っていた」と、そのインパクトの大きさを思い返していた。
香川の獲得を熱望したサー・アレックス・ファーガソン氏が同年のシーズンをもって監督業を引退し、デイビッド・モイーズ体制では苦難の時期を過ごすことになったものの、香川がイングランドに足跡を残した加入当初の1年間は、その後の日本人選手の確かな道標となった。
(城福達也 / Tatsuya Jofuku)