惜敗アメリカ戦で高評価…なでしこJを海外記者が採点「ミスほぼなし」「若さに似合わぬ規律」
アメリカ戦先発メンバー11人を英記者採点
パリ五輪の女子サッカーを戦うなでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間8月3日、準々決勝でアメリカと対戦し、延長戦の末に0-1で敗戦。銀メダルを獲得した2012年のロンドン五輪以来、3大会ぶりのメダル獲得とはならなかった。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合の先発メンバー11人を採点する。
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なでしこジャパンのアメリカ戦先発メンバー採点(10点満点)
<GK>
■山下杏也加 7点
90分間での試合への関与は限られたが、延長5分にソフィア・スミスのシュートを防いだことで試合に完全に集中できていることを証明した。しかし、トリニティ・ロッドマンの決勝点に対してできることはほとんどなかった。
<DF>
■守屋都弥 6.5点
ハードワークして、エネルギッシュなプレー。5バックの右でサイドを幅広くカバーした。時間とスペースを作り出し、フォワードへのクロスを供給する場面が何度かあったが、配球に関しては少し残念だった。
■古賀塔子 7点
若さに似合わぬ規律を備えた堅実なパフォーマンス。延長戦に持ち込むため、いいタイミングでのブロックを見せた。
■熊谷紗希 7点
キャプテンとしてまたしても自信に満ちた堂々たるパフォーマンス。力強い守備でチームを牽引し、ディフェンシブサードでエマ・エイズ監督率いるアメリカにフラストレーションを与えていた。
■南 萌華 6.5点
規律ある3センターバックの1人として努力と決断力を見せ、90分の中でアメリカに決定的なチャンスを作らせなかった。北川ひかるとの連係も光った。
■北川ひかる 6.5点
守備で力強いパフォーマンス。主な役割は対峙したトリニティ・ロッドマンのスピードを生かした突破を制限することだった。決勝点が決まるまで108分以上に渡って、その役割をほぼ完璧にこなしていた。
<MF>
■藤野あおば 6点
日本が攻撃に出る場面では、右サイドで積極的に前に出る守屋都弥とうまく連係し、ポゼッションでスキルとクオリティーの高さの片鱗を示した。
■長谷川唯 7点
いつもどおりの粘り強さと勤勉さで、活気あるパフォーマンスを再び披露した。マンチェスター・シティのMFにミスはほぼなく、日本のすべてのポジティブなプレーの中心にいた。
■長野風花 6.5点
勤勉なパフォーマンス。長谷川唯との相互理解によって日本の中盤に強固な基盤を築き、池田太監督のチームに攻撃のプラットフォームを提供した。
■清家貴子 6点
活気に満ちたパフォーマンス。チャンスがあれば、喜んでアメリカDFに向かって仕掛けていた。タイトな試合でチャンスが限られるなか、田中美南の決定機を作り出した。
<FW>
■田中美南 6点
前節のナイジェリア戦でのゴールで自信を手にし、活発なパフォーマンスを見せた。ゴールチャンスはあったが、残念ながらアメリカのGKアリッサ・ネイハーに阻まれた。
(マイケル・チャーチ/Michael Church)
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。