「ブスケツを予感させた」 城福監督が舌を巻いたソシエダ23歳の“能力”「日本人とは違う」
ソシエダが東京Vに2-0で勝利
J1東京ヴェルディは5月29日、「JAPAN TOUR 2024」でスペイン1部レアル・ソシエダと対戦し、0-2で敗れた。シーズン真っ只中の過密日程により、若手主体で臨んだなかで健闘を見せたなか、試合後、城福浩監督はこの日アンカーを務め、先制点も記録した23歳DFウルコ・ゴンサレス・デ・サラテについて「うまく成長していけば、ブスケツを予感させるね」と、その将来性の高さを語っている。
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シーズン終了直後で、来月にEUROが控えていることもあり、ソシエダは主力の大半が招集外となった一方、東京Vも過密日程の中での親善試合ということもあり、第16節ヴィッセル神戸戦(1-0)から11人全員を入れ替え、若手勢を送り出した。試合は前半43分、この日アンカーに配置されたゴンサレスが狙い澄ましたミドル弾で先制点を奪い、後半アディショナルタイムにMFアルセン・ザハリャンが追加点を決め、2-0でソシエダが勝利を収めた。
東京Vもルーキーたちが果敢なプレッシングと無尽蔵のハードワークでソシエダに立ち向かい、幾度となく決定機を演出するなど、予想以上に白熱した展開で健闘を見せた。試合後、記者会見を終えた城福監督とミックスゾーンの隅で雑談していると、対戦したソシエダについて「あのゴンサレスという選手はすごいね」と、おもむろに語り始めた。
「どの選手が配置されるにしても、ソシエダのサッカースタイルで鍵を握るのはアンカーになることは事前にわかっていた。だから、特にアンカーの球際に厳しくいくよう準備してきたけれど、彼が想定していた以上の懐の深さ、ボールキープ能力の高さで、快適にプレーさせてしまったことで、チームとして苦労した。もっと極限まで距離を詰めろと指示して、ようやく前半残り15分くらいに、なんとか彼の自由度を抑えられ始めたところから、自分たちの良さを出せたと思う」
23歳のゴンサレスは本来DF登録だが、主力のMFマルティン・スピメンディが不在ということもあってアンカーに抜擢されたなか、189cmという体格を持ちながらも東京Vのタイトなプレッシングを華麗にいなす、しなやかなボール捌きを見せ、視野の広いゲームメイクで攻撃の起点となっていた。城福監督は「うまく成長していけば、ブスケツを予感させるね」と、アンカーの“最高峰”として活躍した元スペイン代表MFセルヒオ・ブスケツを引き合いに出し、そのポテンシャルに期待を寄せていた。
「日本でのアンカーの役割は、ハードワーク、カバーリング、守備力の高さに焦点が当たるけれど、スペイン人のアンカーは、ブスケツや、今でいうとマンチェスター・シティのロドリが代表例で、日本人とは違い、ゲームチェンジャーとしての役割が多く求められる。スピメンディがまさにその第一線にいる選手だけれど、ゴンサレスも、あの身長があって、あれだけボールを受けて捌けるのは、明らかに世界との差だし、うちでアンカーを務める選手にも、彼から学べと伝えた」
同僚の久保も試合後に「僕がウルコがいい、ウルコがいいと言ったんで、彼に少しプレッシャーを与えてしまったかもしれないが、いいプレーをたくさんあったと思うんで、僕としてはすごく嬉しいですし、彼の自信にも繋がる」「ボランチの底の選手が、たぶんこのチームで一番上手いので、僕たちが来季躍進するための鍵になる」と、ゴンサレスの活躍に太鼓判を押していた。この日は、いわば新シーズンに向けた最初の強化試合とも言えるなか、際立った存在感を示したゴンサレスはサッカー界の次なるブレイク候補として注目するべき選手となるかもしれない。