日本中で増幅する「セレ女」と「フォル男」 セレッソ大阪のムーブメントに見るJリーグの可能性

各クラブにもたらされるビジネスチャンス

 こうして『セレ女』ブームによって果たされた大幅な増収により、世界的なストライカーであるフォルラン獲得への道程が開けたこととなる。

 このセレッソ・ムーブメントは、セレッソ大阪にとっては当然であるが、セレッソと対戦する各クラブにとっても大きなビジネスチャンスとなる。これを一過性のものとして終わらせてしまうのではなく、今後に活かしていくことができるか。それが今Jリーグと各クラブに課せられた命題であると言えるだろう。

 そして4月19日、Jリーグディビジョン1 第8節、FC東京-セレッソ大阪。

 この熱戦を生で味わい世界基準を肌で感じるべく、青赤やピンクをまとった人々が、続々と今回の舞台となる味の素スタジアムへと集結した。この上ない興奮と熱気に溢れ、キックオフ前から極上の雰囲気が醸成されているのが感じられた。

 この日の入場者数は、40,761人。チケットは前売りで完売であったこともあり、非常に数多くのファン・サポーターが集まることとなった。結果は、2-0でFC東京の勝利となった。

 昨季第31節、同カードで40,371人ものファン・サポーターがやはり味の素スタジアムへと集まったにもかかわらず、後半終了間際、柿谷曜一朗に決勝点を許し、FC東京は敗戦を喫した。セレッソ・ムーブメントによって集まったライト層をFC東京のファンとして取り込むという意味では、少なくともピッチ内の結果からは、残念ながら失敗したと言っていい。むしろ、セレッソ大阪や柿谷のファンを増加させた側面もあったろう。

 だが、FC東京はこの試合で、そのリベンジを見事に果たしてみせた。

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