日本中で増幅する「セレ女」と「フォル男」 セレッソ大阪のムーブメントに見るJリーグの可能性

「セレ女」ブームの効果

 もう1つ、参照してもらいたい表がある。表8と9である。

 ⑧2012 J1 ホーム入場者数 対セレッソ

⑨2013 J1 ホームゲーム入場者数 対セレッソ

 先ほどの表はセレッソ大阪のホームゲームでの入場者数であったが、今度はアウェイゲームでの入場者数である。各J1クラブがセレッソ大阪をホームに迎えた時の入場者数と、シーズン平均入場者数および過去シーズンにおけるセレッソ大阪戦の入場者数を比較したものである。

 この表を見て分かることは、セレッソ大阪のホームゲームにおいては、2012年のロンドン五輪後から急激に入場者数を増やしているにもかかわらず、アウェイゲームにおいてはそうではないということだ。2012年のサンフレッチェ広島戦の入場者数が多いのは、この試合でサンフレッチェ広島が優勝を決まるということが大きな要因であり、セレッソ効果とは考えにくい。

 アウェイにおいてもセレッソ効果が明らかに表れるようになるのは、前項の通り、2013年の9月以降である。9月以降というのは、メディアが『セレ女』ブームを報じ始めた時期と符合する。

 確かに、東アジアカップでの柿谷曜一朗の活躍が起爆剤となった面は否定しない。だが、大阪ではロンドン五輪後から既に女子人気が高まりを見せていたのだ。そこに目をつけたメディアが『セレ女』とネーミングしたことにより、東アジアカップでの柿谷の活躍も相まって、一気にトレンドへと昇華したと言えるだろう。そのような状況が生まれることで全国的な人気を博し、アウェイでもセレッソ効果が表れるようになったのだ。

 もちろん、そもそもとしてホームで人気が高まったのは、セレッソ大阪の選手たちの丁寧なファンサービスが前提となっていることは間違いない。森島寛晃の頃からファンサービスを伝統的に丁寧にやってきており、ユース出身の彼らがその精神を受け継ぎ丁寧にファンサービスを重ねてきた。それが実を結んだと言える。

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