鎌田大地に期待している証? イタリア人記者が指摘「信じていなかったら1月に放出していた」【現地発】

ラツィオでプレーする鎌田大地【写真:Getty Images】
ラツィオでプレーする鎌田大地【写真:Getty Images】

6戦ぶりの出場の鎌田は「自己犠牲的な精神があって、よく走る選手」

 イタリア1部ラツィオに所属するMF鎌田大地は、現地時間2月10日のセリエA第24節カリアリ戦で後半33分から途中出場し、3-1の勝利に貢献した。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」(https://www.gazzetta.it/)のステファノ・チィエリ記者は、公式戦6試合ぶりの出場となった鎌田の最新状況や去就について言及し、「サッリ監督は鎌田が好きだと思うよ」「スペインは彼に向いているかもしれない」と語っている。(取材=倉石千種)

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――「ガゼッタ・デロ・スポルト」では数日前、マウリツィオ・サッリ監督の下で、選手たちは違う意見がなかなか言えない、監督の言う通りにしなければならないと書いていたが?

「そうだね。サッリは、選手たちへの要求が厳しい監督だ」

――ルイス・アルベルトが少し前、昔のロベルト・バッジョのように、司令塔の創造力が監督の要求によって犠牲になってしまう、ファンタジスタの終わりというような話をインタビューで言っていたが、クリエイティブな司令塔が戦術の奴隷になってしまう?

「20~30年この問題はサッカー界に存在する。天才的なクリエイティブな発想の選手たちは、ポジションを型にはめて、定義することができない。今、君がバッジョと言ったが、バッジョは並外れた選手だった。歴史的な選手の1人だ。代表で常にいいプレーをしていたが、クラブでは常に問題があった。ポジションが定まらないってことがあったからね。監督たちはみんな戦術の型があり、戦術的な確信を持っている。そういう選手を入れるのは難しい。サッリ監督もそうした監督の1人だ」

――鎌田がサッリ監督の戦術を学ぶのは簡単ではないのでは?

「そうだね」

――鎌田が5試合出ていなかったのはなぜだと考えている?

「それは僕にも分からない。でも僕は鎌田のような選手をサッリ監督は気に入っているよ。
サッリは鎌田が好きだと思うよ」

――サッリ監督は鎌田を気に入っているの? しばらく起用していなかったのに?

「イエスだよ。なぜなら鎌田には自己犠牲的な精神があって、よく走る選手だから。当初は起用していた。バッジョやルイス・アルベルトなど、技術的にとてもレベルが高い選手はそんなに走らなかったり、守備をあまりしなかったりする。サッリ監督とルイス・アルベルトで問題があったのは、そうした点だった。ルイス・アルベルトは、そのうちに守備ができるようになり、チームを助けるようになったあとでは起用されるようになった。鎌田は4-3-3では、あまり上手く機能しない。鎌田は攻撃的な選手だから、4-2-3-1ならもっと起用されたかもしれない。言葉の問題もあるかもしれないし、上手くチームに溶け込ませることができなかった」

ラツィオは鎌田の活躍に期待「1月、いくつかのクラブが鎌田を欲しがっていた」

イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のステファノ・チィエリ記者【写真:倉石千種】
イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のステファノ・チィエリ記者【写真:倉石千種】

――鎌田はラツィオから移籍すると思う?

「彼は1年の契約でラツィオに来た。でもオプションがある。鎌田がラツィオに残りたかったら、『残る』と言えばクラブは『OK』と言うだろう。その反対はない」

――セリエAから日本人選手がいなくなってしまうとしたら残念だ。

「ラツィオにとっても残念だと思うよ。クラウディオ・ロティート会長は、鎌田がラツィオにいい貢献をしてくれると期待して信じている。なぜなら1月、いくつかのクラブが鎌田を欲しがっていた。ラツィオが鎌田を信じていなかったら、1月に放出していたよ」

――ラツィオはまだに鎌田に期待している?

「ラツィオは鎌田をまだ信じている。言えるのは、ラツィオの今シーズンはよくなかったこと。チームが上手くいっていないと、鎌田がチームに溶け込むのもより難しくなる。チームが上手くいっていたら、鎌田はもっと上手く溶け込めたかもしれない。とはいえ、グスタフ・イサクセンは安定しないし、バレンティン・カステジャーノスもアップ&ダウンがある。唯一、マテオ・ゲンドゥージが持続性をもってプレーしている。鎌田はより苦しんでいるが、ほかのみんなも溶け込むのに苦労している」

――ルイス・アルベルトと鎌田が一緒にプレーしてほしいと考えている。クオリティーが高く、この2人の息はとても合っていた。

「そうだね。でも守備面が弱い。ダニロ・カタルディはより攻撃的、ニコロ・ロヴェッラはより守備面で対応できる。ラツィオは中盤のクオリティーを上げなければならないから、鎌田は必要だと思う。鎌田が入っていい試合をすれば、状況は変わると思う」

――鎌田は移籍話も浮上しているが、新天地についてどう考えている?

「スペインサッカーはよく走る。そして彼はよく走る選手。スペインは彼に向いているかもしれない。イングランドもそうだ。でも鎌田はイタリアでもいいプレーヤーになれると思うよ」

(倉石千種 / Chigusa Kuraishi)



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倉石千種

くらいし・ちぐさ/1990年よりイタリア在住。1998年に中田英寿がペルージャに移籍した時からセリエAやイタリア代表、W杯、CLをはじめ、中村俊輔、本田圭佑、長友佑都、吉田麻也、冨安健洋など日本人選手も取材。バッジョ、デル・ピエロ、トッティ、インザーギ、カカ、シェフチェンコなどビッグプレーヤーのインタビューも数多く手掛ける。サッカーのほか、水泳、スケート、テニスなど幅広く取材し、俳優ジョルジョ・アルベルタッツィ、女優イザベル・ユペール、監督ジュゼッペ・トルナトーレのインタビューも行った。

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