PK戦の末に西宮が3大会ぶり3度目の女子フットサル日本一! 浦安の3連覇を阻止して全国制覇

女子フットサル日本一に輝いたSWHレディース西宮【写真:勝又寛晃】
女子フットサル日本一に輝いたSWHレディース西宮【写真:勝又寛晃】

4度のビハインドを追いついた西宮が一強時代を築く浦安を破る

 第20回JFA全日本女子フットサル選手権大会の決勝が2月12日に行われ、バルドラール浦安ラス・ボニータス(女子Fリーグ/千葉)とSWHレディース西宮(女子Fリーグ/兵庫)が対戦。大会3連覇を目指す浦安に対し、西宮は3年ぶりの優勝を目指す一戦だ。

 今大会を2連覇中の浦安は、女子Fリーグでは4連覇を果たしており、現在の女子フットサル界は浦安一興時代と言える状況だ。西宮の上久保仁貴監督も「この状況を変えなければいけない」と、大会序盤から強い口調で話していた。

 そんな指揮官の思いを選手たちも汲んでいたのか、立ち上がりから西宮が浦安ゴールを攻め立てる。しかし、3分過ぎからは浦安がゴールに迫り始める。FP塚本夏希がチャンスを得たが、シュートはGK中田凪咲が鋭い反応で枠外へ弾き出した。同4分には浦安がペナルティエリアのすぐ外でフリーキック(FK)を獲得。FP伊藤果穂がゴールを狙ったが、ここもGK中田に防がれた。

 互いにチャンスを作り合う展開のなかで第1ピリオド10分、西宮のFP淺井智恵が自陣深い位置でのキックインを相手に渡してしまう。この絶好のチャンスをFP宮原ゆかりが確実に決めて、浦安が先制ゴールを挙げた。西宮はすぐにタイムアウトを取り、動揺が広がらないようにした。すると11分、FP高尾茜利の縦パスからFP斉下遼音が抜け出してGKと1対1になる。このチャンスを斉下が生かして、すぐに西宮が同点に追いついた。

 第1ピリオド13分には左サイドをFP筏井りさが突破。折り返しをFP江川凜がゴールに決めて浦安が再びリードを得た。西宮も同16分に先制点を決めた斉下からパスを受けた高尾がゴールを決め、第1ピリオドのうちに追い付く。どちらも譲らずに2-2でハーフタイムを迎えた。

 第2ピリオドは早い時間に試合が動く。2分、西宮はFP網城安奈が自陣深い位置でボールをFP倉持杏子に奪われる。倉持のシュートはGKが防いだが、弾いたボールをFP平井成美が押し込み、浦安がこの試合3度目のリード奪った。再び拮抗した試合になるが、同11分には西宮が追いつく。網城のシュートが弾かれたところをFP尾川奈穂が押し込み、3-3に追いついた。

 第2ピリオド14分にファウルが4つを数えた浦安だったが、右サイドから江口が折り返したボールをFP松本直美が押し込み、4-3とまたも勝ち越した。残り4分を切ると西宮はパワープレーを開始。浦安はファウルを重ねてしまい、残り59秒で西宮に第2PKが与えられる。これを斉下がゴール右に決め、西宮が土壇場で4-4に追いついた。

 浦安は再び攻めたが残り7秒でボールを失うと、追野に対して江口がファウル。これで再び西宮が第2PKを得たが、斉下のシュートはGKの正面を突いて勝ち越しゴールは決められない。このまま第2ピリオドが終了し、試合は延長戦に突入した。

 ファウルカウントが持ち越される延長戦第1ピリオドは、どちらも得点を挙げられないまま終わった。浦安はロングカウンターからチャンスを作ったが、シュートは淺井がゴール内にカバーに入ってボールをクリアした。ギリギリの攻防が続くなか、延長第2ピリオド残り30秒、西宮ゴール前でファウルがあり、西宮に第2PKが与えられる。斉下がキッカーを務めたが、シュートは左に外れていった。このままどちらも譲らずにタイムアップ。勝敗の行方はPKで決することになった。

 PK戦では浦安4人目の平井のシュートがポストに嫌われ、西宮は5人全員が成功。PK戦を5-3で制した西宮が3大会ぶり3度目の日本一に輝いた。

(Futsal X・河合拓 / Taku Kawai)



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