メッシも知らず…神戸戦の”予告なしPK戦”に米記者困惑「こんなこと初めて」「選手もびっくり」

「The Athletic」のパウル・テノリオ記者【写真:城福達也】
「The Athletic」のパウル・テノリオ記者【写真:城福達也】

インテル・マイアミは急遽実施のPK戦で神戸に敗れる

 米メジャーリーグサッカー(MLS)のインテル・マイアミは2月7日、国立競技場でヴィッセル神戸と対戦。試合は0-0で終了したが、事前に通達のなかったPK戦が実施されることに。ピッチ上では選手たちも把握していない様子を見せていたが、現地取材に訪れていた米メディア記者は、「こんなこと初めてだ」「選手も全員びっくりしていた」と困惑していた。

 アルゼンチン代表FWリオネル・メッシは内転筋の違和感によりベンチスタートとなったが、後半15分から途中出場。約30分超にわたってプレーし、投入直後からすべての攻撃の起点となり、文字通りインテル・マイアミの起爆剤となった。調整期間ではあるものの、ワールドクラスのスルーパスやドリブル突破で、国立競技場に駆け付けた2万8614人を沸かせた。

 試合は0-0のまま終了し、両チームの選手たちが互いの健闘を称え合いながらユニフォーム交換をし始めた際、会場のモニターには「PK戦」の文字が表示され、スタジアムではどよめきが起こった。記者席でも動揺が走っており、「事前に通達がなかったですよね?」と互いに確認し合う様子が多々見受けられた。ピッチ上の選手たちも戸惑い、まさに寝耳に水といった反応で、当事者たちですら把握していない可能性が高いPK戦だった。

”抜き打ち”のような形となったPK戦はサドンデスに突入し、最終的には神戸が4-3で制することになった。試合後、現地取材に来日していた米メディア「The Athletic」のパウル・テノリオ記者は「PK戦が行われることを日本人は把握していたのか?」と尋ねられ、「何も聞いていない」と答えると、困惑した表情を浮かべた。

「こんなことは初めてだ。プレシーズンの親善試合でPK戦が行われること自体が非常に珍しいが、まさか予告なしなんて。選手たちもユニフォーム交換をし始めていたタイミングだったし、顔を上げたら大画面にPK戦と書いてあるのだから、選手も全員びっくりしていた。私もあまりに寒かったので、急いで階段を降りようとしていたところだったから、『マジで?』と思ったよ(笑)」

 インテル・マイアミは5人目のキッカーが成功すれば勝利という状況だったが、メッシは蹴ることなく、結果、サドンデスで敗れる展開となった。メッシがPKキッカーを務めなかったことについて尋ねると、「彼が違和感を抱えている部位が内転筋というのがポイントだ。ボールを強く蹴った時に痛めやすい筋肉だからね」と、リスク回避の判断であったと推測していた。

(城福達也 / Tatsuya Jofuku)



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