森保ジャパン、“最大の強み”は「世界トップの分析力」 ディフェンスリーダーの帰還に注目【現地発】
イラク戦に向けてトレーニング
日本代表は1月17日、ドーハで開催されているアジアカップ・グループリーグ第2戦イラク戦(19日)に向けて練習を冒頭40分公開した。DF冨安健洋はフルメニューを消化しており、万全を強調。先発でも大丈夫か問われると「そうですね、はい」と、順調にコンディションを上げている様子だった。森保ジャパン“最大の強み”とも言える冨安の分析力に迫る。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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ドーハの練習場で冨安は終始リラックスした表情だった。負傷の影響で別メニュー調整が続き、14日ベトナム戦はベンチ外。だが、イラク戦に向けては「見てもらったら分かるとおり、練習に入れている」とし、先発起用でもこなせるか聞かれると「そうですね、はい」と、出場の可能性にも触れた。
グループリーグは無理せず、徐々に試合勘を取り戻していく可能性もあるが、練習から冨安の強度を上げられるのは森保ジャパンにとって収穫。アーセナルで学ぶ世界トップの戦術やメンタル、細かいトレーニングなどを落とし込んでいく。
ベトナム戦はピッチ外から見ていた。前半は特にプレスをなかなかかけられず。冨安はどのように感じていたのか。
「まずは行かせることですよね。それは、うしろから言おうと思っていますし、僕の中ではもしオーガナイズされていないとしても、ある程度、強度でまかなえる部分があると思っていて、もちろんオーガナイズされているなかでの強度というのがベストだけど、それがオーガナイズされていない状況も起こり得ることもありますし、その中で今まではそれができていたと思う。
あとはそこの強度のところがベースにはなってくると思うので、うしろからしっかり、ということと、あとは『このシステムだったら、ある程度自分がつくマークはこれだ』というのは決まっています。その中で『なんで自分は違う選手についているんだろう』という違和感があって、ここからズレている、前からズレているというのを、分かっていた。その最初の原点のところから、変えていくというところはやっていく」
日頃からアーセナルでミケル・アルテタ監督からの高い要求に応え続け、世界トップのプレミアリーグで主力を張っている。自身を、チームを客観的に見てきたからこそ。その“分析力”でイラク戦の印象もしっかり言語化している。
「4枚か5枚か分からないですけど、サイドバック(SB)とボランチとウイングのトライアングルのローテーションだったり、というところは印象に残っていますし、あとはシンプルにいいチームだなって思った。そこのトライアングルのローテーションのところで言えば、コンパクトに保つところと、コミュニケーションを取りながらやるところ。あとはディフェンスラインで言えば、横のスライドでSBからしっかりもらってあげて、SBが中だったり、うしろを気にせずに行ける状況を作ってあげるというところはカギになるかなと思います」
森保一監督も一目置いている冨安の存在。これは森保ジャパンの最大の強みと言える。ピッチ上でもし苦戦しても、問題ない。心強いディフェンスリーダーが帰ってきそうだ。