日本サッカー「ドラゴンネーム」ベスト11 磐田GKや高校生J戦士ら「辰」「龍」「竜」の付く現役プレーヤー厳選【コラム】

“ドラゴンイヤー”にちなんだベスト11を選出【写真:徳原隆元 & Getty Images】
“ドラゴンイヤー”にちなんだベスト11を選出【写真:徳原隆元 & Getty Images】

“ドラゴンイヤー”にちなみ、名前に“辰”か“龍”か“竜”の付く選手&監督を厳選

 2024年は辰年。“ドラゴンイヤー”ということで、名前に“辰”か“龍”か“竜”の付く“ドラゴンネーム”ベスト11を選考した。ドラゴンと聞いて真っ先に浮かぶのは元日本代表の久保竜彦かもしれないが、今年の活躍が期待される現役選手、監督を対象にした。

 GKは三浦龍輝(ジュビロ磐田)だ。FC東京のアカデミー出身で、柏レイソルでプロデビューした三浦。昨シーズンは序盤戦こそサブに甘んじたが、5月からほとんどのリーグ戦でゴールマウスを守り、磐田のJ1昇格を支えた。度重なるビッグセーブと素早く正確なフィードが武器で、再びJ1のステージでどういったパフォーマンスを見せてくれるのか。

 そのほかGKでは昨年U-20ワールドカップ(W杯)のメンバーだった春名竜聖(水戸ホーリーホック)も期待の選手だ。またドラゴンネームのGKと言えば鄭成龍(チョン・ソンリョン/川崎フロンターレ)もいるが、すでに飛躍している選手なので、今回は“殿堂入り”扱いにさせてもらった。

 3バックは右から舞行龍ジェームズ(アルビレックス新潟)、奈良竜樹(アビスパ福岡)、井上竜太(ツエーゲン金沢)とした。2021年のJ2ベストイレブンでもある舞行龍は35歳になったが、昨シーズンはJ1で19試合に出場して新潟を最終ラインから盛り立てた。ビルドアップ能力と対人能力の両面に優れる選手だ。奈良は福岡でキャプテンマークを巻き、ディフェンスの統率役としても頼りになる存在。ルヴァンカップのファイナルで浦和レッズを相手に奮闘し、初タイトル獲得に大きく貢献した。

 パワフルなプレーが持ち味の井上は金沢の守備的な要だ。昨年も前半戦はチームを力強く支えたが、長期離脱の影響もあり、残留を懸けた終盤戦で力になれなかった。「金沢ゴーゴーカレースタジアム」を新たなホームに、J2復帰を目指す“ドラゴンイヤー”には欠かせない選手の1人だろう。

 右ウイングバックは日本代表の森下龍矢。最近は左サイドのイメージもあるが、メンバー構成の兼ね合いもあり、今回は右に回ってもらった。今冬、ポーランドの名門レギア・ワルシャワにレンタル加入。世界でも指折りの熱いサポーターを背に、まさしく「龍矢」の名にふさわしい攻め上がりで、今年の昇龍になってもらいたい。

 ボランチは和泉竜司(名古屋グランパス)と櫻井辰徳(ヴィッセル神戸)だ。和泉はフィールドの多くのポジションをこなすポリバレントで、バランス感覚は抜群。ここというタイミングでのテクニカルなプレーも必見だ。櫻井は読売ジャイアンツの原辰徳監督にちなんで名付けられた。J2の徳島ヴォルティスで組み立てなど、多くのものを学んで神戸に帰還した。課題だった守備強度も高めて、アジアの舞台も待つJ1王者で主力定着を目指す。

1トップはJ3クラブを新天地として戦うストライカー

 左サイドは何人か候補がいた中で、21歳の相良竜之介(ベガルタ仙台)を抜擢した。FW経験もあり、果敢なアタックでゴールに迫る。U-17日本代表で指導を受けた“ゴリさん”こと森山佳郎新監督の下、さらなる飛躍を目指すシーズンになるはず。

 2シャドーは野瀬龍世(水戸ホーリーホック)と高校生Jリーガーの佐藤龍之介(FC東京)を並べた。北海道生まれの野瀬はJ3のヴァンラーレ八戸でデビューし、昨シーズンはギラヴァンツ北九州でプレーした。そして2024年は多くの名選手を送り出してきた水戸から飛躍を目指す。水戸の象徴はドラゴン。しかも2000年生まれの野瀬は辰年でもある。期待しかない選手だ。

 FC東京のアカデミー育ちである佐藤は高校2年生だった昨年プロ契約。U-17W杯でも10番を背負って、世界に存在をアピールした。攻撃センスが高く、1つのタッチで局面をガラリと帰ることができる。カップ戦ではデビュー済だが、正式にプロ選手としてブレイクが期待される。ちなみに同じ2006年生まれの矢田龍之介(清水エスパルスユース)とは“ダブル・リュウノスケ”として、アンダー代表の共闘が話題になった。

 1トップは永井龍(ギラヴァンツ北九州)だ。FWは“ドラゴンネーム”が何人かいたが、もう名前がドラゴンそのものなので、永井を選ばないわけにいかない。気鋭のストライカーとしてこれまでセレッソ大阪をはじめとした多くのクラブでシュートをゴールに突き刺してきた。2024シーズンはJ3の北九州を新天地として戦う。昨年は最下位だったチームをドラゴンのごとく、上昇気流に乗せることができるか。

 この“チームドラゴン”を率いるのは廣瀬龍監督(AC長野パルセイロ・レディース)だ。かつて帝京高校で名将・古沼貞雄監督のあとを継いで、稲垣祥(名古屋グランパス)などを育てた。ちなみに有名なタレントのROLANDさんも教え子だ。長野はWEリーグの9位だが、冬の中断期間を経て、後半戦で上位に躍進できるか注目したい。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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