遠藤航、スピードと強度の改善を現地紙が指摘 「彼はもうブンデスの下位チームで戦っているわけではない」
「この30歳はもっと速く、もっと強くなければならない」
イングランド1部リバプールの日本代表MF遠藤航は、12月9日に行われたプレミアリーグ第16節アウェーのクリスタル・パレス戦(2-1)でスタメン出場。前半のみの交代となった日本人アンカーに対し、現地では「この30歳はもっと速く、もっと強くなければならない」と改善の余地を挙げている。
3連勝を飾り、首位に浮上したリバプール。ピッチでは風も強く吹くなかで、遠藤は序盤こそ広い視野で何本か攻撃の起点となるパスを通していた。しかし、クリスタル・パレス側も浮いていた遠藤にマークを付けるようになるとプレスに苦戦。何度か相手の素早いプレッシャーを受けボールを失う場面もあった。
それが印象付けられたのが、前半29分のワンシーンだった。リバプール最終ラインのDFジャレル・クアンサーのパスを受けた遠藤に対し、相手MFウィル・ヒューズがうしろから激しいプレス。この接触でボールを失うと、ペナルティーエリア内へ侵入したFWオドソンヌ・エドゥアールに対し、カバーに入ったDFフィルジル・ファン・ダイクの対応がファウルの判定となってしまう。
ファン・ダイクにイエローカード、クリスタル・パレスにPKが与えられたが、ここでVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入。アンドリュー・マドレイ主審は直接映像を確認するオンフィールドレビューを実行すると、直前のヒューズの遠藤へのチャレンジがファウルだったとして、PKとファン・ダイクへの警告は取り消されている。
VARの恩恵を受けピンチを脱したリバプール。ただ低い位置でボールを受ける遠藤が狙われていたのは事実で、この後ハーフタイムで日本人MFはジョー・ゴメスと交代で退く結果となった。
リバプール地元紙「リバプール・エコー」は、ヒューズから受けた接触についてファウル判定は妥当だったとしつつも「しかし、この30歳はもっと速く、もっと強くなければならない」と遠藤のプレースピードと強度の改善を求めている。
「この30歳はもっと速く、もっと強くなければならない。彼はもう、ブンデスリーガの下位チームで戦っているわけではないのだ。次回はこの幸運(VAR判定)は起こらないかもしれない」
そのうえで「遠藤の不甲斐ないプレーは、リバプールにもう1人ホールディングミッドフィルダーが必要かどうかという議論を再燃させた」と指摘。さらなる成長を求められている遠藤が、どう試合に絡んでいけるか注目が集まる。