「クロップは新しい3番をまだ信用していない」 リバプール専門メディア、アンカーの現状を考察「遠藤により多くを求めている」

リバプールでプレーする遠藤航【写真:ロイター】
リバプールでプレーする遠藤航【写真:ロイター】

ブライトン戦では出番なしに終わる

 イングランド1部リバプールのユルゲン・クロップ監督は、現地時間10月8日に行われたプレミアリーグ第8節ブライトン戦(2-2)で中盤の底にアルゼンチン代表MFアレクシス・マック・アリスターを起用した。90分間ベンチを温めることになった日本代表MF遠藤航について、専門メディアも現状の考察を展開している。

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 今夏、中盤の守備の要としてドイツ1部シュツットガルトからリバプールへと電撃移籍を果たした遠藤。30歳という年齢も相まって現地からは不安要素も指摘されたが、フル出場した英2部レスター・シティとのリーグカップ戦(3-1)のように徐々に自身のストロングポイントを発揮してきた。

 5日に行われたUEFAヨーロッパリーグ(EL)のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ戦(2-0)でも遠藤は先発を飾る。前半のみで交代したため、8日のブライトン戦に向けた温存だと予想が立てられていた。

 ただ、蓋を開けてみるとブライトン戦の遠藤はベンチスタート。代わりにマック・アリスターが中盤の底でプレーした。試合は2-2と引き分けたなか、ここまで限られた時間でのプレーとなっている遠藤と、代わりに起用されているマック・アリスターについて、クラブ専門メディア「THIS IS ANFIELD」は「遠藤がなぜ契約されたのか、いつ信頼されるのか、“6番”の役割に何を求めているのか、疑問が残る」といった考察をコラムとして展開している。

「スペシャリストの“6番”として、リバプールには明確な空きがあったが、遠藤の代わりにマック・アリスターは、彼の持つ資質を引き立てないポジションに留まっている」

 記事では、リバプールが遠藤を「ディフェンスラインの前に座ってパトロールする唯一のスペシャリスト」として契約したにもかかわらず、一時的な対応とされていたマック・アリスターの同ポジション起用継続について疑問を並べた。

 本来、マック・アリスターは「彼の好みのポジションである中盤の左でプレーする自由を与えられたとき、もっと多くのことができる」とし、「中盤の最も深い位置の選手としては、彼にはテンポが足りず、しばしば彼だけがカバーするには広すぎるスペースが残される」と現状の課題を指摘している。

 マック・アリスター本人は「ここ2、3年で、守備の面ではかなり上達したと思うし、自分でもうまくやれる仕事だと思う」と、ブライトン戦後に自信を語ったが、記事では「タイトルへの挑戦するためには、上手くやるだけでは必ずしも十分ではない。クロップがなぜ、そしていつまでそうし続けるのか」と続け、「なぜ遠藤がプレミアリーグで使われないのか?」とその理由を模索した。

「遠藤に関してもテンポに不安はある。その反面…」

 現状、遠藤はリーグ戦での唯一の先発出場以降、プレミアでわずか22分のプレーにとどまる。リーグカップとELのローテーション要因として起用されてきた。クロップ監督は遠藤を「ここのやり方に慣れる必要がある」とし、「短期的なプロジェクトではない」と語っており、過去の例としてファビーニョの存在が同ケースとして挙がった。

 記事では「少なくとも今夏リバプールの唯一の守備のスペシャリストを見過ごすのは問題だ」と指摘し「マック・アリスターと同じように、遠藤に関してもテンポに不安はある。その反面、素早くボールを動かすことができるが、クロップは新しい3番をまだ信用していないと言っても過言ではない」と言及している。

 すでに今シーズン、マック・アリスターはチームで5番目に多い688分の出場時間を記録。イエローカードを3枚貰っており、「ブライトン戦では明らかに苦戦していた」と同メディアは評価する。

 そのうえで、遠藤については「リバプールは遠藤により多くを求めている」と期待値までの距離を挙げ、未だマック・アリスターが同ポジションで優遇されている起用法について「疑問が残り続ける」と締めくくっていた。

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