森保ジャパン、トルコ戦出場全17選手「パフォーマンス査定」 満点評価は途中出場の“レギュラー組”…序列に“危機”の低評価は?
トルコ戦の出場メンバー17選手を5段階査定
森保一監督率いる日本代表は、9月12日にベルギー・ゲンクでトルコ代表と対戦し、4-2で快勝した。4-1で勝利したドイツ代表戦から中2日の強行日程で日本は4-2-3-1の布陣で試合をスタート。ドイツ戦からDF伊藤洋輝以外の10人を入れ替えて臨んだ。右サイドバック(SB)はデビュー戦のDF毎熊晟矢が務め、MF伊藤敦樹と主将マークを巻いたMF田中碧のダブルボランチ、MF久保建英とMF堂安律が共存する形となった。
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試合は前半15分に伊藤敦が強烈なミドル弾を決めて先制。さらに同28分には久保の無回転シュートを相手GKが弾き、こぼれ球をMF中村敬斗が決めた。同36分には毎熊のクロスを再びファーサイドの中村が決めて3点目。前半終了間際に1点を返されたが、3-1のリードで前半を折り返した。後半には途中出場のMF伊東純也が約80mの独走からPKを奪取。これを自身で決めて4-2の勝利を収めた。
ここでは各選手たちのパフォーマンスを振り返るべく、出場17選手を5段階評価(最高が5つ星★★★★★)で査定する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
◇ ◇ ◇
<GK>
■中村航輔(ポルティモネンセ)=★★☆☆☆(→前半48分OUT)
1失点で負傷交代。失点シーンは相手のシュートを掴み損ねてしまった。ドイツ戦で大迫敬介が緊張感ありながらも今後につながるプレーをしていただけに、守護神候補のポジション争いは熾烈になりそうだ。
■シュミット=ダニエル=★★★☆☆(←前半48分IN)
思わぬところで出番が回ってきたが、3本のビッグセーブでピンチを救った。後半に1失点はしてしまったが、急遽出場のドタバタ感は感じさせずに落ち着いたプレーはさすが。
<DF>
■谷口彰悟(アル・ラーヤン)=★★★☆☆
若手の町田浩樹を牽引する働き。中盤が初めての伊藤敦樹&田中碧コンビだっただけに、ギャップに苦戦するシーンも見られた。ただ、冨安健洋と板倉滉がドイツ戦でいいコンビを見せていたものの、谷口の存在はこれからも必要不可欠だ。
■町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)=★★★☆☆(→後半34分OUT)
A代表デビュー戦でピンチも招いてしまったなかで、後半14分には相手のカウンターを阻止。ミスを取り返す動きをしていた。後半にかけて球際でも勝負できていただけに負傷交代が残念だった。
■冨安健洋(アーセナル)=※出場時間短く採点なし(←後半34分IN)
さすがの貫禄で入るだけで安心感が増す。相手に押し込まれる時間帯もあったが、しっかりとカバー。これからの最終ラインを引っ張っていく“復活”の2連戦となった。
■伊藤洋輝(シュツットガルト)=★★★★☆
唯一の2試合連続でフル出場。森保監督からの期待を感じさせる起用法で左サイドの攻防で成長を見せた。ドイツ戦ではFWレロイ・サネの個人技に苦戦も粘り強い守備を見せ、この日は少し余裕さえ見られた。左SBでは1歩抜けたか。
■毎熊晟矢(セレッソ大阪)=★★★★☆(→ハーフタイムOUT)
上々のデビュー。前半の入りから緊張したような姿を見せず、ワンタッチで相手をかわしてチャンスを演出するなど、センスが光った。チーム3点目は自身で奪ってクロスでアシスト。右SBは菅原由勢の存在が大きいなかで、今後の伸びを期待させる出来だった。警告をもらっていたため、悔しい交代となった。
■橋岡大樹(シント=トロイデン)=★★★☆☆(←ハーフタイムIN)
毎熊に先発を譲ってのハーフライムから出場。毎熊が随所でいいプレーを見せていただけに、もう少しインパクトを残してほしかった。ただ、身体能力の高さは発揮できた。
2ゴールの中村敬は“持っている男” 約80m独走→PK奪取の伊東はリーダーに
<MF/FW>
■伊藤敦樹(浦和レッズ)=★★★☆☆(→後半19分OUT)
強烈なミドル弾で流れを変えた。ペナルティーエリア外から枠内にもっていく力強さは森保ジャパンの大きな武器になる。攻撃ではアイデアを豊富に出していたが、守備では行き切れず、何度か簡単に突破を許してしまった。気の利いた守備ができれば遠藤航&守田英正の鉄板ボランチにオプションとして割って入っていける。
■遠藤 航(リバプール)=★★★★★(←後半19分IN)
やっぱり頼りになる主将。伊藤敦と田中のコンビでは不安要素だった守備では視野の広さで的確に潰していた。2戦通してリバプール所属を納得させるプレーでチームを牽引した。
■田中 碧(デュッセルドルフ)=★★☆☆☆
主将マークは森保監督からの期待のメッセージだっただけに、遠藤&守田の鉄壁ボランチの牙城を崩すようなプレーが見たかった。やはり守備では簡単に振り切られてしまったことで最終ラインの負担が大きくなっていた。遠藤と組んだ時には攻撃に専念できていただけに、守備でも違いを見せてもらいたい。
■中村敬斗(スタッド・ランス)=★★★★☆(→ハーフタイムOUT)
持っている男。前半の入りが難しかっただけに、左サイドからの攻めは厳しいように思えたが、しっかりとゴール前にいること、得点への嗅覚が再確認できた2ゴールだった。本人としては、もっとやりたいこともあったと思うが、苦しい展開を打開する2ゴールで勝てたという事実が大切だ。
■前田大然(セルティック)=★★★☆☆(←ハーフタイムIN)
左MFで途中出場。セルティックでこなしているポジションだけに、慣れを感じさせた。前田からボールを奪取しての抜け出し、古橋亨梧からの「走れ!」というメッセージのパスにもしっかり反応できていた。
■堂安 律(フライブルク)=★★★☆☆(→ハーフタイムOUT)
悔しい負傷交代となった。先制点のシーンでは伊藤敦とのワンツーで的確な落とし。所属チームでもコンディション不良だったため、2試合連続の途中出場となった。10月の親善試合では10番“らしさ”を発揮してもらいたい。
■伊東純也(スタッド・ランス)=★★★★★(←ハーフタイムIN)
かつて所属したゲンクのホームスタジアムで躍動。途中出場ながら、約80mの独走を見せてPKを奪取。右SBの橋岡を使いながら自身も生きるプレー。2試合連続で伊東の存在の大きさを感じさせる絶対的な攻撃陣のリーダーだ。
■久保建英(レアル・ソシエダ)=★★★☆☆
中村敬のゴールを演出する無回転シュートや右サイドに回った際の突破など、随所でらしさは見せていた。だが、守備ではもう1歩踏み込んでほしいところ。久保への期待値は大きいだけに、★は3評価にとどめる。
■古橋亨梧(セルティック)=★★★☆☆
決め切っていれば……。負傷離脱した上田綺世の台頭が著しいだけに古橋ももっと飛躍してもらいたい。それでも、一気に攻勢をかける抜け出しで特徴は出した。ポストに当たってしまったシュートなど、ツイていないシーンはあった。