森保ジャパン、ドイツ戦出場全17選手「パフォーマンス査定」 強敵撃破で高評価ズラリもMOMは圧倒的存在感

ドイツ戦に出場した選手たちを査定【写真:Getty Images & ロイター & 高橋 学】
ドイツ戦に出場した選手たちを査定【写真:Getty Images & ロイター & 高橋 学】

ドイツ戦の出場メンバー17選手を5段階査定

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング20位)は、9月9日(日本時間10日)に敵地でドイツ代表(同15位)と対戦し、4-1で快勝した。カタール・ワールドカップ(W杯)での2-1の勝利以来の再戦で、強敵相手に2連勝となった。

 日本は4-2-3-1の布陣で試合をスタート。DF冨安健洋(アーセナル)がカタールW杯以来の復帰を果たし、今夏イングランド1部リバプールへ電撃移籍したMF遠藤航、同ブライトンのMF三笘薫とともにプレミア3人が揃って先発メンバーに名を連ねた。

 試合は前半11分にMF伊東純也(スタッド・ランス)がニアサイドをぶち抜く一撃で先制。同19分に追い付かれるが、その3分後にFW上田綺世(フェイエノールト)が勝ち越しゴールを挙げた。相手の猛攻も冨安とDF板倉滉のセンターバック(CB)コンビを中心にシャットアウトして、試合終了間際に途中出場のMF久保建英が2アシストをマーク。FW浅野拓磨(ボーフム)とMF田中碧(デュッセルドルフ)のゴールを演出した。

 ここでは各選手たちのパフォーマンスを振り返るべく、出場17選手を5段階評価(最高が5つ星★★★★★)で査定する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

   ◇   ◇   ◇

<GK>
■大迫敬介(サンフレッチェ広島)=★★★★☆
 最初は緊張がプレーに出ていたが、徐々に落ち着きを取り戻して90分間の中で大きく成長。失点シーンは完全に崩されてしまったので、致し方ない部分はある。ビルドアップでも要求に応えてチャレンジしていた。

<DF>
■冨安健洋(アーセナル)=★★★★★
 文句なしの満点評価。この試合のマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)。1点目、2点目は起点となるピンポイントのフィードでチャンスを演出し、守備ではアーセナルで同僚のFWカイ・ハフェルツに全く仕事をさせなかった。対人の強さ、スピードで相手を圧倒。国際Aマッチで初めてコンビを組んだDF板倉滉と2人でCBを背負う未来が見えた。

■板倉 滉(ボルシアMG)=★★★★☆
 前半は数的不利になりながらも、うまくスライドして対応。強豪のドイツ相手にゴールキックからつないでビルドアップで組み立てる好判断を下した。冨安とのCBコンビは3年後の北中米W杯も楽しみになるような“壁”っぷりで、個々で強さを見せるドイツ相手に圧巻の出来だった。

■伊藤洋輝(シュツットガルト)=★★★☆☆
 左サイドバック(SB)で先発出場。相手のFWレロイ・サネとの1対1は手こずっていたものの、最終ラインで守り切る姿勢を見せた。崩されてしまった失点シーンを抑えきることができれば今後さらなる成長が期待できる。

■菅原由勢(AZアルクマール)=★★★★★(→後半39分OUT)
 1点目、2点目をクロスで演出。スピード感のある右サイドの攻撃から仕留められるボールを送り込んだ。1対1でも粘り強さを見せており、三笘と同じく5試合連続で先発出場を果たしている信頼感がよく分かる安定感だった。

■谷口彰悟(アル・ラーヤン)=★★★☆☆(←後半13分IN)
 後半から戦い方を変えるなかで、3バックに対応。冨安と板倉の間に入って、ミスの少なさで信頼をさらに積み上げ、最終ラインを牽引。相手の攻撃を次々と跳ね返した。

■橋岡大樹(シント=トロイデン)=※短時間のため採点なし(←後半39分IN)
 菅原と交代で出場し、3バックの右ウイングバックに入った。最初のシーンではスピードについていけなかったが、振り切られても粘って修正。クロスで持ち味を出した菅原とライバルになるため、チャンス演出でも違いを見せていきたい。

鎌田のパスセンスが光った一戦

<MF/FW>
■守田英正(スポルティング)=★★★☆☆(→後半29分OUT)
 6月シリーズはアンカーを務めたが、遠藤とのダブルボランチが復活。川崎時代の元同僚・三笘を生かすパスを何本も出していた。失点シーンでさらなる改善ができれば、もっと盤石な中盤になるだろう。

■田中 碧(デュッセルドルフ)=★★★★☆(←後半29分IN)
 W杯でも見られた得点への嗅覚を強豪相手に再び発揮。しっかりとフリーになり、ドンピシャのヘディングシュートでダメを押した。ドイツにとっては、トドメを刺される一発でスタンドを埋めたファンを帰路につかせた。

■遠藤 航(リバプール)=★★★★☆
 リバプールへ移籍後初めての代表活動で、ブンデスリーガで評価されたデュエルを要所で見せた。前半28分にはドイツで磨いた身体の強さでボールを奪い切り、危機から救出。世界的に評価されてビッグクラブへ移籍したことが分かるような働きぶりだった。

■三笘 薫(ブライトン)=★★★☆☆(→後半39分OUT)
 1点目につながるシーンでは完璧なファーストタッチでボールをコントロール。そこから冨安へつながり、鎌田、菅原とつながって伊東が仕留めた。右サイドバックを務めたMFヨシュア・キミッヒとの1対1は試合の見どころになった。三笘への警戒が高まるなかで逆の右サイドの攻撃が生きた。

■堂安 律(フライブルク)=※短時間のため採点なし(←後半39分IN)
 W杯ではドイツ相手にゴール。三笘との交代で、珍しく左MFを務めた。難しい展開ではあったが、短い時間でも決定機に絡む活躍を期待したい。

■鎌田大地(ラツィオ)=★★★★☆(→後半13分OUT)
 トップ下でスタートしながらも、右サイドに入って臨機応変に対応。視野の広さ、パスセンスはさすが。1点目も2点目も菅原を生かすパスで一気に流れを変えた。司令塔にふさわしいプレーぶりだった。

途中出場から2アシストを記録した久保建英【写真:ロイター】
途中出場から2アシストを記録した久保建英【写真:ロイター】

右サイド制圧の伊東は文句なし 久保は2アシストの上出来、上田&浅野の決定機逸が惜しまれる

<MF/FW>
■伊東純也(スタッド・ランス)=★★★★★(→後半29分OUT)
 流れを一気に引き寄せる先制ゴール。ニアサイドをぶち抜く得点があったからこそ、トライしていくゲームプランを問題なく進められた。三笘が警戒されても、スピードで圧倒できるため日本は両サイドで脅威になれる。東京五輪世代が活躍を遂げるなかで、再び外せない選手だということを自らアピールした。

■久保建英(レアル・ソシエダ)=★★★★☆(←後半29分IN)
 残り時間が短いなかで2アシストをマーク。アシストにつながるシーンでもプレスを掛けて奪い切り、攻勢をかけたが、自陣に攻め込まれた時に守備でもセンスが光るプレスでボールを回収していた。しっかりと2アシストつけるところに今季の好調さが窺える。

■上田綺世(フェイエノールト)=★★★★☆(→後半13分OUT)
 試合前から予想していたとおり難しい体勢でもボールを収めて、チャンスを作り出した。1トップ争いがあるなかでゴールを決め切ったことも成長を感じさせられた。一方でGKとの1対1もしっかりと仕留められるかが今後の課題。

■浅野拓磨(ボーフム)=★★★★☆(←後半13分IN)
 久保の優しいアシストがあっての貴重な1ゴール。ドイツの息の根を止める一撃で逆に日本は自信をつけることができた。交代での途中出場後、GKとの1対1があったが、決め切っていればW杯の“再現”になったか。上田と同様複数得点してほしかった。

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