決勝トーナメント進出は最終戦に持ち越し

　オーストラリアとニュージーランドで共催の女子ワールドカップ（W杯）で優勝候補同士の激突、グループステージE組のアメリカとオランダの一戦が7月27日に行われ、1-1の引き分けに終わった。

　互いに初戦を勝利して入った両チームの対戦は、2019年の前回フランス大会の決勝カードの再現。この当時はアメリカが2-0で勝利し、2年後の東京五輪では準々決勝で対戦してPK戦の末にアメリカが勝利と、近年の女子サッカーではメジャーな対戦になりつつある。

　そのゲームは前半、オランダがゲームをうまくコントロールしてアメリカの勢いをいなした。そして前半17分に右サイドからマイナスの折り返しを受けたオランダのMFジル・ルードが右足でミドルシュートを流し込んで先制。オランダの1点リードで前半を終えた。

　しかし後半になるとアメリカが大エースのFWアレックス・モーガンを中心に、ウイングには元NBA選手デニス・ロッドマンの娘トリニティ・ロッドマンを擁するなど迫力のある突破を見せる選手たちを中心に猛反撃。オランダを自陣に押し込めるような試合展開に持ち込み、後半17分にはコーナーキックから主将のMFリンジー・ホランがヘディングで同点ゴールを決めた。

　このゲームは山下良美レフェリー、坊薗真琴、手代木直美の両アシスタントレフェリーが大会開幕戦に続き2試合目の担当。山下レフェリーは試合中にホランとオランダのMFダニエレ・ファンデドンクが対立した場面で素早く間に入って冷静さを取り戻させるなど、ゲームをコントロールしながら大きなトラブルなくまとめた。

　引き分けた両者は最終戦に決勝トーナメント進出を持ち越したが、順当に突破すればニュージーランドで準決勝を戦う山に入るため、なでしこジャパン（日本女子代表）は準々決勝と準決勝でこの2チームと連続で対戦する可能性もある。