なぜ連動性に欠けた? 浦和監督と選手が分析する4試合ぶりノーゴールに終わった訳

マチェイ・スコルジャ監督がスコアレスドローの一戦について言及【写真:徳原隆元】
マチェイ・スコルジャ監督がスコアレスドローの一戦について言及【写真:徳原隆元】

チャンスらしいチャンスは興梠のポスト直撃シュートのみ

 浦和レッズは7月8日に行われたJ1リーグ第20節、FC東京とのホームゲームを0-0で引き分けた。リーグ戦では4試合ぶりの無得点試合になったが、マチェイ・スコルジャ監督や選手はいくつかのポイントで問題があったことを話した。

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 浦和は今季のJ1で上位4チームのみの3敗で乗り切っているチームの1つだが、この試合の前までにスコアレスドローが4試合あったように得点力不足もあって勝ち切れなかったところが首位との勝ち点差になっている面があった。ただし、リーグ戦のここ3試合では7得点を挙げていただけに好転の兆しが見えていた。

 しかし、このゲームでは最後まで攻撃の機能性は高まらず、決定機と呼べそうなものは前半14分にMF関根貴大からのパスを受けたFW興梠慎三のシュートシーンのみ。これも角度的には少し厳しい場面だった感は否めなかった。MF大久保智明は「少しダラーッと過ぎてしまった感があって、メリハリのある動きが少なかった」と話す。そうした理由の1つになり得る部分として、スコルジャ監督は自身のトレーニングの組み立てに疑問符をつけてコンディション調整が万全だったかどうかの要素を指摘した。

「ここ1週間の練習における負荷もチェックしたい。負荷をかけすぎたのかもしれない。本日の試合は立ち上がりから球際やハイプレスでの力強さが足りなかった。もしかしたら練習の組み立て方が悪かったのかもしれない」

 そうした身体的にフィットしていない状態が目についたことが響いたのが、このゲームはあまり背後に抜け出すようなプレーが出てこなかった。FC東京はDFエンリケ・トレヴィザンやダブルボランチなど中央の選手たちが、積極的に前に押し出す形でプレーしていた。そこで入れ替わるように背後へ抜けることができれば違うパターンがあったかもしれない。

FC東京戦にスタメン出場した安居海渡【写真:徳原隆元】
FC東京戦にスタメン出場した安居海渡【写真:徳原隆元】

安居海渡は裏抜けの動きがなかったことを指摘

 スタメン出場したMF安居海渡も「あまり連動的に動くことができなかったのかなと思う。たしかに今日、裏抜けの動きも全然なかったと思うし、もう少し中で流動的に動ければスムーズにいけたのかなと。相手が人に対して強くくるというのであれば、上手くスペースを使ったりとか、それを上手く使ってターンをしたりするのを、もう少し増やせれば良かった」と話す。相手の狙いを外すようなプレーが少なかったとも言えそうな要素だ。

 そして、後半21分にFWホセ・カンテとFW髙橋利樹を投入し、ラスト10分ほどで180センチ以上の2人を2トップに並べた後の時間帯についてスコルジャ監督は「最後、2トップにしたけれども、彼らのパワーを利用するようないいパスがペナルティーエリア内に入っていかなかった」と話す。

 安居はもう少し具体的に「監督からは『カンテと利樹が前にいた時に、最後10分の間にクロスが1本もなかった』と言われた。そういうところはもっと簡単にプレーするのも良かったかなと思うので、そういう状況判断はプレーしている選手たちが分からないといけない」と、ベンチが行った選手配置の意図をピッチ上で表現できなかった部分について触れた。

 浦和はこの後、12日に天皇杯3回戦でモンテディオ山形と対戦し、16日にリーグ第21節のセレッソ大阪戦を終えて中断期間に入る。スコルジャ監督は中断期間前に勝ち点を積み上げることの重要性を強調していたが、リーグ戦の無敗こそ10試合に伸ばしたものの、ホームで勝ち点3を逃したのは痛手になってしまった。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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