森保ジャパン、6月シリーズで示した“2チーム分”の選手層 久保、三笘ら2列目の最適解を探る
攻撃陣はそれぞれが持ち味を発揮
第2次森保ジャパンは、エルサルバドル代表(6-0)、ペルー代表(4-1)と対戦した6月シリーズで2連勝を飾った。2試合ともスタートは「4-1-4-1」システムを採用。合計10得点で、厚みある攻撃が仕掛けられた。エルサルバドル戦ではMF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF三笘薫(ブライトン)、MF堂安律(フライブルク)を同時起用。ペルー戦では縦への突破で違いを出したMF伊東純也(スタッド・ランス)が貫禄ある仕掛けを見せた。収穫の多かった2列目について探っていく。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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今回のシリーズは3月で主な布陣となった4-2-3-1ではなく、4-1-4-1を採用。まず、エルサルバドル戦は序盤で相手に退場者が出てテストマッチとしては思いどおりの展開とはならなかったが、インサイドハーフ、ウイングの2列目に関して言えばそれぞれが良さを発揮した。まず、左インサイドハーフのMF旗手怜央(セルティック)は三笘と安心して見ていられるコンビネーションに加え、驚異の運動量で広い範囲に顔を出した。右インサイドハーフの堂安は新境地と言えるポジションで、久保とうまく入れ替わり前線にも顔を出した。同サイドの久保との連係も東京五輪組で強みとなった。
右ウイングの久保はエルサルバドル戦で圧倒的な活躍。シーズンでの好調そのまま、日本代表でも主力として自信に満ち溢れ、堂々とした姿を見せた。久保が個で打開しつつ、堂安が仕留める関係性は今後を期待させるものだった。
ペルー戦では縦への推進力が光った。伊東のスピードで突破し、クロスからチャンスを演出。逆サイドの三笘もドリブルだけではなく、うまくクロスを使い分けることで中央も生きる展開へと持ち込んだ。
今回の2試合では4-1-4-1が機能して、厚みのある攻撃ができた。それぞれ特徴を出せたことも大きいだろう。森保一監督は「我々が個の力をつけていくうえで、誰が出ても勝つということと、誰と組んでも機能すること。固定した選手だけではなくて、チームの選手層の幅を広げる。システム的にも、人の組み合わせも、より多くの選択肢を持てるための試合。選手層も1チームだけではなくて、2チーム分3チーム分というようによりレベルの高い選手層の中から、その都度の活動や大会でベストな選択をできるようにしたい」と話していた。
今シリーズではまさに2列目において、2チーム分の力があることを示すことができたのではないか。多くのオプションを持ち、縦と横、森保ジャパンの“違い”を選択肢として増やすことができた。ワールドカップ予選、アジアカップと公式戦で勝ち抜くためにも収穫の多い2試合となった。