30歳の伊東純也が「武器になる」と自信を持つ“急停止” フランスで磨き上げた一流の技術

日本代表の伊東純也【写真:高橋学】
日本代表の伊東純也【写真:高橋学】

ペルー戦では冷静なゴールだけでなく何度も好機を演出

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング20位)は6月20日、キリンチャレンジカップ2023でペルー代表(同21位)と対戦し、4-1で快勝した。右ウイングで先発出場したMF伊東純也(スタッド・ランス)は持ち味のスピードで相手を圧倒。30歳ながら5大リーグに初挑戦し、さらに磨きをかけた“急停止”が最大の武器となった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 右サイドでペルーのサイドバック(SB)を陥れ続けた。何度も何度も縦に突破し、クロスを上げ、ドリブルで仕掛ける。チャンスを作り続け、2-0の後半18分には逆サイドのMF三笘薫(ブライトン)からのパスに走り込んで冷静に決めた。

「決めると言っていたので、決められて良かった。いい形で、中盤でこぼれ球を拾えて、薫に入った時にとりあえずゴール前にスプリントして、相手より早くゴール前に行けていいパスが来た。ダイレクトで打とうと思ったけどGKがいい位置にいたのでトラップをミスしないようにしようと。トラップすれば入るかなと思った」

 序盤からマークが厳しく、最初の1対1では読まれてしまった。だが、相手DFの裏に抜け、高精度のクロスを何本も上げた。個の打開力、推進力で右サイドを制圧していた。

 今季はフランス1部ランスに移籍し、リーグ・アンに挑戦。30歳になる年で5大リーグに踏み込んだ。柏レイソルから2019年にベルギー1部ヘンクへ渡り、約3年半プレー。屈強な相手と戦ううえでさらに磨きがかかったのが伊東の代名詞でもある“急停止”だ。そして、フランスでも通用することを確信した。本人も「切り返しは武器になる。高いレベルでやるうちに自然と高まっていったところはあると思う」と、スピードある相手とコンマの世界で競り合ううえでほんの少し、ほんの少しと日々の積み重ねで速さを求めていった。

 30歳を過ぎても衰えないスピード。いわゆる「よーい、どん」の素走りの速さだけではなく、急発進、急停止する切り返しの技術を高めることで相手を翻弄し、抜き去る。南米ペルーのSBも伊東の対応に手を焼き、追い付くことができなかった。

 6-0で勝利したエルサルバドル戦ではMF久保建英(レアル・ソシエダ)に先発を譲ったが、世界に通用する武器を持つ伊東は森保ジャパンにとってやはり欠かせない存在だと改めて証明した一戦となった。

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