森保ジャパン、エルサルバドル戦出場全17選手「パフォーマンス査定」 1G2Aで“MOM”久保以外の満点評価2人とは?

エルサルバドル戦出場全17選手のパフォーマンスを査定【写真:徳原隆元 & GettyImages】
エルサルバドル戦出場全17選手のパフォーマンスを査定【写真:徳原隆元 & GettyImages】

エルサルバドル代表戦の出場メンバー17選手を5段階査定

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング20位)は、6月15日にキリンチャレンジカップ2023でエルサルバドル代表(同75位)と対戦し、6-0で快勝した。カタール・ワールドカップ(W杯)後、第2次森保ジャパンでの初勝利となった。

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 日本は4-1-4-1の布陣で試合をスタート。今シーズン欧州で活躍したMF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF三笘薫(ブライトン)、MF堂安律(フライブルク)が揃って先発出場した。1トップはFW上田綺世(セルクル・ブルージュ)が務め、初招集のDF森下龍矢(名古屋グランパス)がA代表デビューを果たした。

 試合は前半開始50秒で先制し、直後の同2分には一発レッドで相手DFが退場。PKで上田がA代表初ゴールとなる追加点を挙げるという、驚きの幕開けとなった。数的有利な状況で日本は着実にゴールを重ね、途中出場のMF中村敬斗(LASKリンツ)やFW古橋亨梧(セルティック)も得点。大量ゴールを奪った。

 ここでは各選手たちのパフォーマンスを振り返るべく、出場17選手を5段階評価(最高が5つ星★★★★★)で査定する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

   ◇   ◇   ◇

<GK>
■大迫敬介(サンフレッチェ広島)=★★★☆☆
 枠内シュートは前半24分に相手のフリーキック(FK)からヘディングシュートされた1本のみとなったが、これをきっちりセーブ。開始早々に相手が一発退場するという予想しない展開となってしまったなか、90分間集中力を切らさなかった。

<DF>
■谷口彰悟(アル・ラーヤン)=★★★★☆
 DF陣で最年長らしく、落ち着いた余裕があった。開始50秒で久保のフリーキック(FK)にドンピシャで合わせて電光石火で先制点を奪った。相手のカウンターの場面でも1対1で強さを見せ、鉄壁守備で相手に隙を与えず。板倉とのコンビで立ちはだかった。

■板倉 滉(ボルシアMG)=★★★☆☆
 安定感抜群の谷口とのコンビで最終ラインを支えた。前半40分にはカウンターを浴びるも、2人で数的有利を作り、冷静に守り切った。その後、守備の数は少なかった一方で前半22分にはミドルシュートを放ち、攻撃参加も欠かさなかった。

■森下龍矢(名古屋グランパス)=★★★☆☆
 左サイドバック(SB)で上々のA代表デビュー。三笘、旗手と大学時代にユニバーシアードでともに戦った旧友といい連係を見せた。練習通り、三笘を中へ進入させて自身はオーバーラップでチャンスを演出。不用意なファウルがなくなれば、さらなる成長が期待できる。

■菅原由勢(AZアルクマール)=★★★★☆(→ハーフタイムOUT)
 古巣名古屋のホームスタジアムで凱旋出場。久保との連係でも良さが見られ、出場は45分のみのなかでチャンスを2度ほど演出した。厚みのある攻撃参加も忘れず、前半38分にはしっかりとシュートで終わった。

■相馬勇紀(カーザ・ピア)=★★★★☆(←ハーフタイムIN)
 右SBで途中出場の起用。本来のポジションではないものの、紅白戦から起用されていた位置で奮闘した。後半28分には古橋へ合わせるピンポイントのクロスを供給。しっかりと1アシストの結果を残した。

“元川崎組”主将マーク守田&久しぶり出場の旗手が安定感でアピール

■守田英正(スポルティング)=★★★★★(→後半31分OUT)
 遠藤航が不出場のなかで、キャプテンマークを巻いてプレー。中盤の底で潰し屋として抜群の存在感を発揮。インサイドハーフの旗手と堂安、両ウイングの三笘と久保を視野広く見て、オフ・ザ・ボールの動き出しも見逃さないパスでチャンスを作り出した。効果的なボールを散らして、周囲もうまく使っていた。

■伊藤敦樹(浦和レッズ)=※短時間のため採点なし(←後半31分IN)
 前日に緊急招集され、浦和の練習から豊田へ直行。日本代表の練習には参加できないまま、ぶっつけ本番でA代表デビューとなった。それでも浮足立つことなく、カウンターを受けた場面では落ち着いて対応していた。

■三笘薫(ブライトン)=★★★★☆(→ハーフタイムOUT)
 開始10秒で相手のファウルを誘いFKを獲得。これがいきなり先制点につながった。ボールを持てば期待通りの動き。ドリブルで持ち込むことはもちろん、DFの間を通す高精度なパスやシュートで左サイドを制圧。久保のゴールをアシストすると、前半44分には自身のシュートは相手GKにはじかれるもそのままゴールの方向へ。これを堂安が詰めて、得点となった。実質“2アシスト”の活躍だった。

■中村敬斗(LASKリンツ)=★★★★☆(←ハーフタイムIN)
 国際Aマッチ出場2試合目で出番を多くもらえた。立ち上がり直後はうまく絡めない時間帯もあったものの、後半15分に久保のパスをきれいに決めて嬉しい初ゴール。これをきっかけに伸び伸びとしたプレーを見せ始め、枠外、枠内関係なくアイデア豊富な仕掛けで随所に存在感を見せていた。

■旗手怜央(セルティック)=★★★★★
 インサイドハーフで先発出場。川崎組の守田や三笘と安心して見ていられるコンビネーションに加え、無尽蔵の働きでピッチを駆け回った。驚異の運動量でフル出場。広い範囲に顔を出し、中盤と前線をつなぐ架け橋になった。

■堂安 律(フライブルク)=★★★☆☆(→後半20分OUT)
 背番号10で初めての出場。新境地と言えるインサイドハーフながら、久保とうまく入れ替わり前線にも顔を出した。周囲の好パフォーマンスと比較して全ての持ち味を出し切ったとは言い切れないかもしれないが、1つ結果が欲しいところで三笘のシュートのこぼれ球に反応。しっかり詰め切ってゴールを取ることの大切さを体現した。

■川辺 駿(ウォルバーハンプトン)=★★★☆☆(←後半20分IN)
 途中出場でインサイドハーフに入った。攻守に関わり続けることで役目を果たそうとした。ミスは見られなかったが、残り25分という決して短くはない時間で、何か1つアピールポイントが欲しかった。

1G2AでMOM級活躍の久保、重圧はねのけた古橋&上田のなかで浅野は…

■上田絢世(セルクル・ブルージュ)=★★★☆☆(→後半20分OUT)
 前半開始直後から臆することなく前線から積極的にプレスをかけ続けて相手のミスを誘発。一発退場となり、PKを自ら沈めて国際Aマッチ15試合目で待望の初ゴールを奪った。その後、VARの介入によりオフサイドになってしまい、欲を言えばもう1点流れの中から決めておきたかった。それでも、堂安のゴールにつながる前には場内をどよめかせるポストプレーでボールを収め、らしさは光った。

■古橋亨梧(セルティック)=★★★★☆(←後半20分IN)
 重圧のかかるなかで途中出場も、セルティックで培ったストライカーとしての嗅覚と脅威となる動きを発揮。相馬のクロスにピンポイントで合わせてしっかり決め切った。カタールW杯や3月には招集されず、悔しい思いもしたが、ここぞという場面でゴールできる男に成長。代表で戦い続ける覚悟を感じる1点だった。

■久保建英(レアル・ソシエダ)=★★★★★(→後半20分OUT)
 1ゴール2アシストで圧巻の出来。マン・オブ・ザ・マッチ級の働きだった。ゴール、アシストともに数字、結果として申し分ないが、オフ・ザ・ボールでのランニングや自身からロストしたらきっちり取り返すなど守備でも献身的に動き続けた。三笘や堂安とのコンビネーションも磨かれており、最後には途中出場の中村が「本当に久保くんのおかげ」という優しいパスでゴールをお膳立てした。

■浅野拓磨(ボーフム)=★★☆☆☆(←後半20分IN)
 試合終了間際には決定機があったものの、決められず。中盤より前では若手が多く占めるなかで、W杯や国際大会での経験値を生かして、結果を出し、さらなる前線の競争を活性化してほしかった。

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