森保ジャパンのビフォーアフター カタールW杯組と新戦力の「融合」で何が変わった?

ウルグアイ戦にスタメン出場した11選手【写真:徳原隆元】
ウルグアイ戦にスタメン出場した11選手【写真:徳原隆元】

よりボールを保持するための術に注力か

 第2次森保ジャパンは、2026年の北中米ワールドカップ(W杯)に向けて第1歩を踏み出した。昨年のカタールW杯を経て、森保一監督と主軸選手たちの間には、今度こそ「新しい景色を見る」ための共通した認識ができているはずだ。

 3月24日に行われたキリンチャレンジカップのウルグアイ戦(1-1)は、カタールW杯を戦ったチームの凱旋試合であるとともに、チームがどのような戦い方をするかが見られる場だった。また、ウルグアイ戦の前日会見で森保監督は「4-2-3-1がこれからベースになっていくかどうかの判断を、まずはチャレンジして決めていきたい」と布陣について語ったが、同時に選手の見極めも行っているだろう。

 その判断をするための時間が、キリンチャレンジカップの2試合計180分と短い。そのため、今回はカタールW杯のメンバーで現在も一定のパフォーマンスを維持できている選手を試すために招集したのだろう。スコットランド1部セルティックのFW古橋亨梧やMF旗手怜央らの落選が話題になったが、今回ですべてを確認するのは不可能だ。彼らも今の水準を保っていれば、この先アピールする機会が与えられるに違いない。

 ウルグアイ戦の先発メンバーは、先発11人のうち9人がW杯メンバーだった。中盤より前の選手には大きな変更がなかったが、最終ラインはDF瀬古歩夢(グラスホッパー)がDF吉田麻也(シャルケ)がつけていた22番を背負って代表デビュー。DF菅原由勢(AZアルクマール)も、代表2キャップ目で初先発した。

 彼らが融合したからではないが、第2次森保ジャパンは新たな試みをしている。それは、ウイングが広くサイドに開き、その内側にサイドバックがポジションを取り、より多くの人数を前にかけてポゼッションをする戦い方だ。サイドバックとサイドハーフの距離が近くなり過ぎて、パスコースが1つしかなくなるなどしたことで機能したとは言い難いが、選手たちは特に前半は積極的にトライしていた。

 ボールをつなぐ意思の高さは、カタールW杯のコスタリカ戦(0-1)で失点につながった際の吉田のプレーも記憶に新しいが、第2次森保ジャパンは、よりボールを保持するための術に注力していくことになりそうだ。

 ウルグアイ戦の翌日のチームミーティングでは、さっそく前日の試合で出た課題を確認し合ったという。3月28日に行われるコロンビア戦では、引き続き4-2-3-1で臨むのか、誰がサイドで起用されるかも含め、チームがやろうとしている新たな戦い方がどれくらい浸透したかもチェックしたいところだ。

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