「新しい光が見えた気がする」 泥沼3連敗中の昨季J1王者・広島に垣間見えた新たな改革の一歩

広島に芽生え始めた新たなスタイル

 試合後、MF柏好文はこの試合の広島のパフォーマンスをそう振り返り、一定の手応えをつかんでいた。この日1トップに入ったFW皆川祐介がハードワークを持ち味とし、前線からのプレッシングを一切怠らなかったこともあり、相手がパスを回している時はボールホルダーを2、3枚で囲む展開が続いた。面食らった川崎に凡ミスを誘発させ、うまくリズムを狂わせた。

 昨季のJ1制覇、クラブワールドカップ3位入賞の躍動を考えると、今季は早期に優勝争いからの戦線離脱が決まり、泥沼の3連敗とネガティブな要素が目立っている。しかし、この日の広島は、新たな改革の一歩を踏み出したようにも見えた。

「なんだろう、なんていうか、これからを照らす新しい光が見えた気がする」

 悔しい敗戦を喫した最中、柏は最後に前向きな笑顔を浮かべた。

【了】

城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

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