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快足ドリブラーの仲川輝人が三笘薫のプレーを分析 「ネイマールに似ている」と語る理由は?
【特集|三笘薫“解剖”/選手の目】FC東京のドリブラー仲川輝人は「間合い」に注目
イングランド1部ブライトンの日本代表MF三笘薫は、自慢のドリブルを武器に世界最高峰のプレミアリーグで堂々たるプレーを披露し続けている。その姿は、日本人選手たちにはどのように映っているのか。Jリーグでの対戦経験を持ち、同じドリブラーでもある元日本代表FW仲川輝人(FC東京)に5歳年下の三笘の印象を訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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今季FC東京に移籍した仲川は、横浜F・マリノス時代に「ハマのGTR」の異名を取った快足ドリブラーとして知られる。川崎フロンターレU-15と川崎フロンターレU-18に所属し、高校卒業後のプロ入りではなく、大学を経てJリーグの世界に飛び込んだ点でも、今を時めく三笘と経歴の共通点がある。初めて三笘のプレーを見たのは、筑波大時代の映像だったという。
「初めて映像を見た試合は筑波大時代で、ベガルタ仙台との天皇杯(2017年の天皇杯2回戦。筑波大が当時J1のベガルタ仙台を破る“ジャイアントキリング”を果たす)との試合だったと思います。SNSで流れてきた得点シーンやハイライト映像で見ていた時に、一見速そうに見えないのにめちゃくちゃ速いんだろうなという印象でした。三笘選手の相手を抜き去るタイミングや、相手の重心の動かし方、逆を突くドリブルの仕方は上手いなと思いました。(川崎)フロンターレに加入して以降は実際に対戦してみて、映像で見るのとは全然違っていました。タイミングの取り方も違っていたし、速さは一瞬で分かりました」
ドリブラーと言っても、スピード主体や技巧派など、タイプはさまざまだ。同じドリブラーとして感じる三笘の凄み――。仲川は「自分の空間を作り出しているところが本当に凄いことだと思います」と語る。
「抜くタイミングもそうですけど、DFが1対1の時に嫌な間合いだと感じます。三笘選手と対戦した時、あまり取りにいけない間合いだと思いました。ここの空間の作り方が凄い。DFが2人寄ってきたら簡単に(周りを)使うし、ワンツーで抜いていく。来なかったら1対1の勝負に持ち込んで自分の空間を作り出して勝負する。自信を持っているし、自分の間合いに持ち込めば勝負して抜けると分かっています」
“反発ステップ”に象徴されるボールの運び方はブラジル人選手を彷彿
世界のサッカー界を見渡して、三笘に似ている選手を問うと、仲川は王国ブラジルの選手の名前を挙げた。
「タイミングの取り方や、ボックス近くの仕掛けの間合いは(ブラジル代表10番のFW)ネイマール選手とかに似ているかもしれません。今で言う“反発ステップ”みたいな三笘選手の得意なボールの運び方は、ブラジル人選手特有のものだと思います。ネイマール選手もそうだし、ヴィニシウス(・ジュニオール)選手やロドリゴ選手らにドリブルが少し似ているかなと。なかでも、ネイマールには結構似ていると感じます」
同じ大卒選手としてプロになり、今や世界最高峰のプレミアリーグで戦っている三笘の姿を見て、仲川は「やっぱりうらやましいと思います」と率直な思いを口にした。
「大卒でプロになる時は22歳。ヨーロッパでは若手とは言えない。海外では15歳、16歳で(ドイツの)ブンデスリーガや(スペインの)ラ・リーガ、プレミアでもピッチに立っている選手がうじゃうじゃいる。僕も早くチャレンジはしたかったけど、こんな年齢(30歳)なので。プロ入り前に怪我(右膝前十字靭帯および内側側副靱帯断裂、右膝半月板損傷)をしてしまったので、そのまま怪我せずやれていたらどうなったのかな……。というちょっとした想像はしたことがあります。それでも、怪我をして、リハビリがあって今があるというのもサッカー人生だし、それはそれで生きた証しだと思っています。ああやって三笘選手がポンポンとステップアップしていく姿は凄い。いいなと思いながら見ています。あのレベルでバリバリプレーできているのは、日本で付けた自信をそのままプレミアに持って行ってできているのだと思う。自信を付けることは非常に大事なんだなと思いました」
現役の日本人選手の目から見ても、三笘のプレーは特筆すべきものだと映っているようだ。