“自分史上最上”の部類に入る好調ぶり FC東京“10番”東慶悟が「サッカーが楽しい」と語る訳

FC東京で11年目を迎える「10番」の東慶悟【写真:(C) F.C.TOKYO】
FC東京で11年目を迎える「10番」の東慶悟【写真:(C) F.C.TOKYO】

【特集|インタビュー】東慶悟、アルベル監督体制2シーズン目の準備に手応え

 FC東京の東慶悟はキャプテンに就任した2019年シーズン、開幕前に自身の加入以来「タイトル獲得がゼロで不甲斐ない」と語り、チームはJ1優勝まであと一歩と迫るクラブ史上最高順位の2位に達した。翌20年シーズンはルヴァンカップを制し、残すはリーグ制覇だけ。「FOOTBALL ZONE」ではFC東京特集を組み、アルベル・プッチ・オルトネダ監督体制2年目となる今シーズン、「サッカーが楽しい」と笑みを漏らし、充実の時を迎えている背番号10を直撃した。(取材・文=後藤勝)

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 いい立ち位置を取り、ボールを保持することにこだわるスタイルへの転換を図った2022年シーズンはリーグ6位。アルベル監督は「完成度は60%」という言葉で就任1年目のシーズンで下地ができたことを認めた。

 明けて2023年、沖縄での1次キャンプ。サッカーに取り組む意識を選手個々が高めてきたからなのか、FC東京は今年初の対外試合から良好なパフォーマンスを見せた。スタイルを変え始めたばかりで、ボールを動かすこともままならなかった1年前とは雲泥の差と言っていいスタートだった。

「質の高い選手が増えていると思います。誰が先発で出てもおかしくないと、キャンプをやっていて感じます」

 2次キャンプが終わって去年よりレベルアップしたかはまだ判断できない──。東はそう評価を保留しながらも、戦力の厚みが増していることは認めた。練習の内容は昨年と大きくは変わっていない。ただ相手ゴール前のポケット、いわゆるニアゾーンに入っていきそこから崩すフィニッシュワークに関しては「今年は昨年より重点的に(トレーニングを)やっている。練習試合でそういうシーンは何回か見られた」と言い、一定の手応えを感じている。

「最後の仕上げは昨シーズンからの課題です。FC東京はスペースがあれば生きる選手がすごく多いので、間延びする試合ではいい攻撃ができる。でも、押し込まれた時にどうするか。オプションとしてそこ(ポケット)を狙いながら、入ったときにどうするかは積み上げていかないといけない」

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後藤 勝

後藤 勝
ごとう・まさる/小平市在住のフリーライター。出版社、編集プロダクション勤務を経て独立。1990年代末に「サッカー批評」「サッカルチョ」などに寄稿を始めたことがきっかけでサッカーに携わるようになり、現在はFC東京、FC岐阜、東京都社会人リーグを中心に取材。著書に「トーキョー ワッショイ! FC東京 99-04 REPLAY」(双葉社)「エンダーズ・デッドリードライヴ-東京蹴球旅団2029」(カンゼン)がある。ウェブマガジン「青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン」「ぎふマガ!〜FC岐阜を徹底的に応援する公式ウェブマガジン〜」の執筆を担当。

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