元日本代表が選ぶ「J1リーグ“NEXT三笘”」候補 今季注目の“推しドリブラー”厳選

左から汰木康也、金子拓郎、大久保智明【写真:Getty Images】
左から汰木康也、金子拓郎、大久保智明【写真:Getty Images】

【特集|三笘薫“解剖”/専門家の目】栗原勇蔵が推す“NEXT三笘”は汰木、金子、大久保

 イングランド1部ブライトンの日本代表MF三笘薫は、世界最高峰と言われるプレミアリーグでブレイクを遂げ、世界的な注目を浴びている。そんな日本人アタッカーの“現在”に迫るべく「FOOTBALL ZONE」では特集を展開。その1コンテンツとして、“NEXT三笘”となり得る可能性を秘めたJリーガーを元日本代表DF栗原勇蔵氏に挙げてもらった。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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   ◇   ◇   ◇ 

 現代サッカーは一芸に秀でた選手よりも、献身的なプレーを遂行できるタイプが重宝される傾向にあるので、1人でボールを持って攻め込むドリブラーは減りつつある印象です。以前は齋藤学(ニューカッスル・ジェッツ)、柿谷曜一朗(徳島ヴォルティス)、柏好文(サンフレッチェ広島)らがいましたが、ベテランの域に入って、バリバリのドリブラーという選手は多くない。岩崎悠人(サガン鳥栖)や飯野七聖(ヴィッセル神戸)もいいものは持っていると思いますが、今回は3選手の名前を挙げさせてもらいました。

■汰木康也(神戸/MF/27歳)
・昨季J1成績:32試合(2122分)・5得点5アシスト
・昨季ドリブル数:92(リーグ8位)
・昨季ドリブル成功率:50.0%

「三笘とまったく同じタイプに分類できる選手は正直いませんが、どことなくタイプが似ているのが汰木だと思います。上背(身長183センチ)があって、長い距離を運べるイメージ。スラロームのようなドリブルで相手を抜くことができ、ワンツーとかコンビネーションにも対応できる。カットインからのシュートも選択肢にあって、三笘に近いポテンシャルを秘めていると思います」

■金子拓郎(札幌/MF/25歳)
・昨季J1成績:27試合(2165分)・1得点5アシスト
・昨季ドリブル数:126(リーグ2位)
・昨季ドリブル成功率:58.7%

「カットインして右45度から放つ左足シュートは“ネコタクゾーン”と言われるように、縦への突破よりもカットインが特徴です。左利きで独特のボールタッチなので、どちらかと言うと(アルゼンチン代表FWリオネル・)メッシのようなタイプと言えるでしょうか。三笘は左サイドで縦にスムーズに抜いて、センタリングもカットインもいけるのに対して、金子は縦に抜き切る圧倒的なスピードはまだなくて、縦に行っても右足の精度はもっと磨かないといけない。相手も中にカバーを置く形でカットイン対策をしてきますけど、金子は巻きでもストレートでもシュートにパンチ力があるので、脅威を与えられると思います」

■大久保智明(浦和/MF/24歳)
・昨季J1成績:23試合(1333分)・1得点5アシスト
・昨季ドリブル数:70(リーグ15位タイ)
・昨季ドリブル成功率:45.7%

「小柄(身長170センチ)ですけど、左利きで縦への突破とカットインに優れ、浦和で人気を博した名ドリブラーたちの面影を感じさせます。大久保は縦に抜き切るスピードはない分、よりテクニカルなイメージで、タッチとステップが細かいので、(レアル・ソシエダの日本代表MF)久保建英のような感じで相手選手も足を出しづらい。予想外の方向に進む時もあって、見ていて面白い選手だと思います」

(FOOTBALL ZONE編集部)



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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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