4年後へのキーワードは“守備の再構築” 未来の日本代表で最も成長が求められる選手たちは?

冨安や板倉と同等レベルの選手の台頭が待たれる【写真:ロイター】
冨安や板倉と同等レベルの選手の台頭が待たれる【写真:ロイター】

最終ライン&守護神は入れ替えが濃厚

 もっともロシア大会の時に25歳以下だった植田直通、昌子源(ともに鹿島アントラーズ)、遠藤、武藤嘉紀(ヴィッセル神戸)、大島僚太(川崎フロンターレ)、中村航輔(ポルティモネンセ)のうち、カタール大会のメンバー入りしたのは1人だけということを考えると、現時点での若さが将来の保証になっていないことは明らかだ。それでも現時点でW杯メンバーだった選手が多いのは好材料と言える。

 一方で、川島と長友を除くと2018年大会時点で30歳を超えていた選手は残っていない。そう考えると、まずはGKを除いてカタール大会で30歳以上の選手のポジションは早急に選手を育成する必要がある。

 つまり谷口彰悟(川崎フロンターレ)、長友、柴崎、酒井宏、吉田については急いで次の選手を見つけなければいけないのだ。そしてこの5人のうち4人は守備ライン。森保ジャパンを支えた守備力を今後の日本代表は再構築しなければならない。

 板倉滉(ボルシアMG)が25歳、冨安健洋(アーセナル)が24歳ということで次のW杯も十分に主力としては計算できる。だが今回のW杯でも明らかになったように、レギュラーと目される選手だけでは大会を勝ち残れない。板倉、冨安と同程度の力を持つ選手がここから4年で台頭しなければならない。

 また、この4年間で日本が解決できなかった問題に両サイドバックがある。長友、酒井宏を超えられるパフォーマンスを発揮できる選手が台頭しなければ、日本は攻守両面において厳しくなる。

 それでは候補選手は誰か。森保一監督が招集した選手から考えてみる。冨安と伊藤洋を除くと、板倉より若い選手はこういうリストになる。

渡辺 剛/1997.02.05(コルトレイク)
中山雄太/1997.02.16(ハダースフィールド・タウン)
岩田智樹/1997.04.07(横浜F・マリノス)
大南拓磨/1997.12.13(川崎フロンターレ)
立田悠悟/1998.06.21(柏レイソル)
原 輝綺/1998.07.30(清水エスパルス)
杉岡大暉/1998.09.08(湘南ベルマーレ)
菅 大輝/1998.09.10(北海道コンサドーレ札幌)
古賀太陽/1998.10.28(柏レイソル)
橋岡大樹/1999.05.17(シント=トロイデン)
瀬古歩夢/2000.06.07(グラスホッパー)
菅原由勢/2000.06.28(AZアルクマール)
西尾隆矢/2001.05.16(セレッソ大阪)

森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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