“飽くなき挑戦者”太田宏介を支える妻の存在 喧嘩と無縁の“最高のサポート”を続けられる訳

元日本代表DF太田宏介(左)と妻の福間文香さん【写真:本人提供】
元日本代表DF太田宏介(左)と妻の福間文香さん【写真:本人提供】

【アスリートを支える妻たち|福間文香】新たな環境にも自ら飛び込んでアジャスト

 世界中を熱狂の渦に巻き込むアスリートたち。彼らは多くの支え、協力があってトップパフォーマンスを続けている。そんな“裏方”に徹する妻にスポットライトを当て、どのようにサポートをしているのかに迫る不定期企画「アスリートを支える妻たち」。第2回はJ2リーグのFC町田ゼルビアに所属する元日本代表DF太田宏介の妻である福間文香さん。夫婦二人三脚での日々の生活について訊いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史/全2回の2回目)

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――太田選手は今年で35歳。いわゆるベテランの域に入って、キャリアを続けていくなかで難しさも感じますか?

太田宏介(以下、太田)「今振り返ってみると、妻と出会った当初がサッカーキャリアの中でのピークに近いタイミングで、何をしても結果が出たし、日本代表にも入れて、海外にも行けて、失敗もなくネガティブになる要素がまったくありませんでした。そこから(2017年に)結婚して月日が流れていくなかで、出場機会を失ったり、移籍を繰り返して、僕がピッチで躍動して、勝ち続けてるシーンをあまり見せられていないのが正直なところです。悔しい思いもたくさんさせてしまっていますけど、今こういう状況だからこそ、苦しいことも一緒に戦っていくこの経験がすごく幸せだと感じています。自分もベテランになって、若い頃のように試合に出続けることは来年以降もしかしたらできないかもしれない。でも、サッカー選手としてやれることはほかにもたくさんあるはずだし、まずはベースとなる体調や食事の管理をしっかりやったうえでの勝負になってくると思うので、妻には引き続きサポートをお願いしたいです」

――文香さん的には新しい環境に身を置くことに抵抗はないですか?

太田「もう東京、名古屋、オーストラリア、町田を経験しているし、その前もオランダを入れたら引っ越しだらけだよね(笑)」

福間文香(以下、福間)「引っ越しだらけですけど、こんな経験はたぶんできないし、自分の性格的にすごく合っていて楽しいですね。子供が生まれてからは特に大変なこともありましたけど、どこへでもついて行きます、どこでも全然大丈夫って感じです(笑)」

太田「妻をすごく頼もしく思ったエピソードがあります。オーストラリア時代に住んでいたパース(西オーストラリア州の州都)は日本人自体も少ないなかで、妻は同じマンションに住んでいる現地の人たちのお茶会に1人で参加したり、言葉が完璧ではなくてもローカルな場所に飛び込んでいく勇敢な姿を見て、『これはどこでも行けるな』と思いました。いろんなサッカー選手の奥さんの話を聞いていると、奥さんが(新しい場所に)馴染めない、適応に苦労するってことは多いみたいで。僕自身もコミュニケーション能力は高いと思っていますけど、妻はそれ以上です(笑)」

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