【W杯】メッシはマラドーナを越えられない? W杯9大会連続取材のアルゼンチン記者の私見

アルゼンチン代表を取材するダニエル・バインステイン記者【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
アルゼンチン代表を取材するダニエル・バインステイン記者【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

“神”マラドーナと“赤ちゃん”メッシの違い

 キャリア最後のW杯に懸けるメッシだが、悲願を成し遂げた時には、アルゼンチンの人々はマラドーナ以上にメッシを崇拝することになるのだろうか。バインステイン記者の答えは「ノー」だった。

「アルゼンチンの人々にとって、マラドーナは神様なんだ。それに対して、メッシは国民全員の赤ちゃんなんだ。日本にも、そういう存在がいるんじゃないか? 子供の頃から良くしられていて、そのまま大きくなったスター選手だ。マラドーナが神。一方でメッシは国民の赤ちゃん、子供なんだ。マラドーナは、政治面、社会面など、一般へのアルゼンチン人への影響が非常に強かった。だが、メッシの場合は素晴らしい選手であり、素晴らしい父親であり、品行方正で満点なんだ」

 そして、「これは私の意見だぞ」と、何度も繰り返してアルゼンチン人の総意でないことを強調してから「テクニック面で、メッシは一歩、二歩もマラドーナを上回っている。私の考えだけどな。私は66年間サッカーを見てきて、今回が9回目のW杯取材だ。現役時代のペレも、マラドーナも見てきたが、技術的にはメッシがベストだ。だが、アルゼンチン人にとって神は、マラドーナ1人なんだよ」と、語っている。

 カタールでも、「MARADONA」のネーム入りのアルゼンチン代表のユニフォームをよく目にするが、やはりアルゼンチン人にとって、マラドーナというのは唯一無二の存在のようだ。

(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)



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