「ノイアーからゴールを決めるレベルはない」 ドイツ人記者&指導者が見た森保ジャパン、力不足に映る“前線の脅威”

現地メディアの記者、指導者に直撃し“リアルな声”を集めた【写真:ロイター】
現地メディアの記者、指導者に直撃し“リアルな声”を集めた【写真:ロイター】

【ドイツ発コラム】現地メディアの記者、指導者に直撃、日本に対する“リアルな声”に注目

 カタール・ワールドカップ(W杯)で日本代表はグループリーグ初戦でドイツ代表と対戦する。ドイツ国内において日本はどう評価され、どれほど脅威に感じられているのか。現地メディアの記者、指導者に直撃し、“リアルな声”を集めてみた。

■マティアス・マルブルク記者(ビルト紙)

「日本はやりにくい相手だ。非常に動きが機敏で、ドリブルがうまい選手が多く、ボールを持った時のコントロールレベルは高い。ドイツにとってはグループ初戦というところが重要だ。もしこの試合を落とすと、2戦目でスペイン代表との決戦を迎えなければならないからだ。

 日本の弱点はフィジカルコンタクトだろう。セットプレーでヘディングに強い(DFアントニオ・)リュディガーが前線に上がったら、何かが起きそうな期待ができる。ドイツとしてはセットプレーを最大限利用しなければならない。日本はベスト8入りを目標に掲げているようだが、残念ながらそれは厳しいと言わざるを得ない。このステージに進出してくるチームに比べると、まだ力が劣っているのが現実だろう。

 要注意人物はフランクフルトの鎌田大地。ブンデスリーガでもスターだ。彼を止めなければならない。日本の鍵となる選手だ。そのほかにもクオリティーを持った選手がそれぞれのポジションにいる。ただチームとしての得点力はどうだろう? 前線に欧州のトップリーグで結果を残している選手はいない。正直、GKマヌエル・ノイアーからゴールを決めるほどのレベルはない」

 鎌田をはじめ欧州のトップリーグで活躍する選手の才能を認めつつも、ゴールを奪うまでには至らないという見方をしているようだ。日本のFW候補として前田大然、浅野拓磨、上田綺世、町野修斗が選出されている。浅野はドイツでのキャリアがある程度長いが、上田と町野は無名の存在。逆にノーマークだからこそ、驚きの瞬間をもたらすことができるかもしれない。

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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