日本代表FW浅野拓磨、W杯へ完全復活に自信 「自分がヒーローになっている姿しか想像ができない」

日本代表FW浅野拓磨【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
日本代表FW浅野拓磨【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

9月に右膝内側靭帯断裂の大怪我もW杯メンバー入り

 カタール・ワールドカップ(W杯)の開幕を約3か月後に控えた9月10日、ブンデスリーガ第6節のシャルケ戦に出場したFW浅野拓磨(ボーフム)は、右膝内側靭帯断裂という大怪我を負った。

 カタールW杯への出場は、絶望的かと思われた。浅野自身も「誰に向けてっていうわけではないですが、僕自身も『ここでか』って感じました。サッカーの神様が簡単には、自分を良い方向に行かせてくれないと感じた」と言う。だが、「その反面、すぐ切り替えたのは、このタイミングで怪我をしたのは、不幸中の幸いという言葉が当てはまる。このタイミングで怪我したことを幸せに感じて、自分がやる準備をやるしかないと心の底から感じた。自然とポジティブに次に向けて良い準備はその瞬間からできていました」と、W杯出場の夢は決してあきらめなかったという。

 間に合う確信があったわけではない。「人事を尽くして天命を待つじゃないですが、今振り返っても、自分ができることはやってきたと思います。それ以上、やれることはないくらいやったつもりではいた。あとは森保監督の判断に委ねるしかなかった。最後の最後まで、僕のなかでは怪我という状況もありましたが、五分五分かなというのがありました」と、メンバー発表を迎えた時の心境を振り返る。

「それでも自分のなかで、『やれることやったら、W杯までには良い状態が作れる』と感じていました。ある意味、そういう発言をしたりすることしか、僕にはアピールする方法がなかったので。『もう治しますよ』というアピールを含めて、やれることはやってきたと思います。それが今につながっていると思います」

「メンバーに入れて良かったというのは、僕自身も感じています。ここにいれることがすべてですし、メンバーに入れなかったら、その後どうもがいても準備のしようがない。まず自分がW杯の試合に向けて、ちょっとでも良い準備ができていることが、すべてかなと思います」

 前回のロシアW杯では、メンバー入りすることはできなかったが、バックアップメンバーとしてチームに帯同。1次ラウンド初戦のコロンビア戦で日本が2-1で勝利した翌日に、チームを離れていた。

「前回のW杯で、ロシアを離れた瞬間から、僕はここしか見ていなかった。それが4年半続いてきただけであって、別に今になってそれが強くなったということはない。常にここしか目指していない。ただ、ここを目指すために、やるべきことは、その瞬間、その瞬間にある。その瞬間、瞬間でやるべきことは、やってきた。だからこそ、自分もここにいるかなと感じている。強い気持ちは常に、この4年半持ってやれたことが、すべてかなと思います」

 今回、FW大迫勇也(神戸)が落選したこともあり、チームではFW最年長となる。年齢について「あまり意識していません。年齢とか、ベテランというのは、あまり考えていなかった。言われてみて『そうやな』という感じ」と率直に述べ、「自分が試合に出て、チームのために走って、点を取って、勝利に貢献するイメージしか沸いていない。自分がどういう形で使われるかわかっていない。どういう形であろうと、自分がヒーローになっている姿しか想像ができない感じです」と続けた。

 一度は断たれたかと思われたW杯出場が、すぐそこに近づいている。今の浅野には、ポジティブなイメージしかない。「毎試合ゴールを取って、チームの勝利に貢献するというのは、決めています。チームとしても、ベスト8以上。本当にそれ以上。優勝できると本気で思っているので、優勝を目指して、やるだけかなと思います。口だけじゃなく、心の底から『俺らできるぞ』と思っているので、やれるんじゃないかなと思います」と、自身にとって初のW杯での活躍を誓った。

(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)



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