「まずはやってみよう」 町田がインターンシップに力を入れる訳、現場体験がもたらす成長の場

眞道さんは地方クラブでグッズ担当として新たなスタートを切る【写真:(C) FCMZ】
眞道さんは地方クラブでグッズ担当として新たなスタートを切る【写真:(C) FCMZ】

インターンを経験することで、サッカー界への思いがより強くなる

――インターンシップ制度を3年間続けてきたからこそチャレンジできたことはありますか?

岡田「インターン生は毎月1回、オンラインで交流会を行っています。これを発案したのは、卒業した1期生でした。コロナ禍でインターン生同士の交流がないということに課題を感じており、お互いを知りたいという意見をもらいました。そこで、オンラインでの交流会をやってみようと思い、工夫を凝らして開催してみました。内容に関しても、講師を呼んでほしいとか、クラブに新規事業の提案をしてみたいとか、より充実したインターンの時間を過ごせるようにアイデアをもらいながら形にできたのは、間違いなく3年間積み上げてきたもののおかげだと思います」

――実際に町田でのインターンシップを経験して、眞道さんが学べたと思うことは?

眞道「インターンでは、Jリーグクラブのスタッフの方が何をやっているのか、基礎業務を学ぶことができました。私はこれまで、人とコミュニケーションをとるのが苦手で少なからず避けてきた部分がありましたが、スタッフのみなさんやインターン生が真っすぐにぶつかってきてくださって、今まで内に秘めていたことを打ち明かしていいんだと感じられて、周囲を観察する力や対話力が上がったと思います。あとは、いろんなスタッフの方々やインターン生とお仕事をするなかで、これをこうしたいからイベントを立ち上げたい、そのためにはどういう人材や環境が必要だと、筋道を立てて物事を考えられるようになりました」

岡田「インターンと聞くと、単純作業の繰り返しみたいなイメージが少なからずあるかもしれませんが、少しでも実務に触れていただいて、プロスポーツに興味を持っていただくのが狙いの1つです。もちろん単純作業などもクラブの仕事の1つでもありますが、考えながら日々の業務に取り組んでもらっています。学校を卒業してダイレクトにクラブへ入るのが全てではなく、一般企業に一度就職し、そこで知見を増やしてからサッカーの世界に戻ってくるのもいいと思います。今回、眞道さんが地方クラブとのご縁を掴んだのは間違いなく眞道さん自身の力。ゼルビアは人材を育てているというよりは、現場に触れる機会を提供している形です。学生たちがその場をどう感じ、どう次に生かしていくか。なかには、スポーツ業界が違うと感じる方もいるかもしれませんが、それも1つの経験だと思います」

眞道「私はインターンを経験したからこそ、この業界への思いが強くなりました。一般企業の就職活動も並行してやっていたなかで、どちらの道に進みたいかと天秤を置いた時に、サッカー業界を目指したいと思いました」

岡田「眞道さんはクラブスタッフになる目的をしっかり考えていると思います。今の若い人たちは当然ながらスキルが高いですが、本質を理解することは実際に業界に身を置くうえですごく大切で、それは我々がインターンの期間で伝えられることだと思います」

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